活動報告

2004-11-25
国土交通委員会

161-参-国土交通委員会-5号 2004年11月25日 ○末松信介君  参議院議員になりまして初めて質問をいたします兵庫県選出の末松信介でございます。よろしくお願い申し上げます。  まず、このたびの台風被害そして新潟県中越地震によりまして亡くなられた方に心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に対しまして心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  天災は忘れたころにやってくるという言葉を、明治の科学者寺田寅彦が言われた言葉でありますけれども、この言葉というのは、言い換えましたら、天災をしっかり記憶しておけば天災はやってこないということだと思うんですけれども、しかし、天災をしっかり心に刻んでおりましても、すぐに天災がやってくるのが今日の時代でございます。現に、台風二十三号の現地調査を終えまして、昼食を抜いておりましたので早めに地元の衆議院議員と一緒に夕食を取っておりましたときに、新潟県のこの中越地震のニュースを実は聞いたわけでございます。  今日は災害の集中審議ということでございますので、地元兵庫県、円山川の堤防決壊、洲本川、加古川の増水による大きな被害が出ましたけれども、これに関した質問をする前に、全国民が現在もなお注視し続けております新潟中越地震について、非常に限られた時間でありますけれども、先にお尋ねをしたいと思います。  個人的なことなんですけれども、私が参議院議員になりますまで、私は神戸市の垂水区という、明石市に隣接をするところ、ここから選出をされる県会議員を長らく務めておりました。したがって、私自身の垂水区もあの阪神・淡路大震災で被災したものであります。しかしながら、神戸の中央部、東部に比べて被害は比較的小さいものでありました。  思い出すんですけれども、平成七年の一月の十七日、五時四十六分、既に起床いたしておりまして、朝の街頭演説に行こうということで服を着ようとしたときに、最初、どすんという音が実はいたしました。衝撃が走ったんです。それから何秒かして、ごおっという地響きがしまして、とんでもない地震が起きるということが瞬間自分にも理解ができました。家内に地震だということを言いまして、一歳になったばかりの子供がいたので、子供を抱いてと言った瞬間、震度六の実は地震が来たわけなんですけれども。  一つ思ったことは、瞬間、こう覚悟をしたら体じゅうに緊張が走りますから、少なくとも足を取られるということはなかったんです。家じゅうに後でひびが入ったことが分かったんですけれども、周囲の、周りの様子を地震がいったん去った後見回すと、ちゃんと家々が建っていたので、これは大丈夫なんだな、地域は大丈夫なんだなということを思いました。余震がしばらく続いていたので、外に出て車に乗ってラジオをつけておりましたら、神戸で大きな今地震があったという臨時ニュースが出たわけであります。  停電、断水の中、九時ごろまで、ちょうど事務所に行きますと、至るところガスのにおい、そして、どうも神戸の東の方の様子がおかしいということを事務所に入ってきた方々が何人か口にされたわけなんです。そのとき、わずか十キロ東の須磨区のことが全く分からなかったという、そういう状況でございました。  その夜中、車で神戸の町の様子を見に行きましたとき、その光景を忘れることができないわけなんですけれども、自分の家内のいとこがまさか、四人家族いたんですけれども、三人がもう命を失ってしまったということを知りませんでしたし、二日後に子供一人が救い出されるということも実は想像もしておりませんでした。ましてや、その三人の遺体が実に一週間以上たって芦屋市からずっと、芦屋市で亡くなったんですけれども、西へ百キロ以上の佐用郡三日月町というところでだびに付されるということは想像もできなかったわけなんです。火葬場も一杯という状況でございました。  亡くなった方々の話というのは、今でもまだ生活に苦しむ方々の話というのは枚挙にいとまがないわけなんですけれども、私がそのとき学んだことというのは、主観的判断は絶対に誤りやすいということ。二つ目は、情報がいかに大切かということが二つ目。三つ目は、初動態勢の確立というものがどれほど難しく、大切かということが分かったわけでございます。  あれから九年、復旧・復興の状況を見守りつつ、自分なりに取り組んできたわけなんですけれども、そこには幾つかの課題が残ってしまったわけであります。今でも、きちっと復興しているようですけれども、路地に入りますと空き地が一杯ありまして、恐らく、来年度税制につきましても格段の住宅税制、震災特例というものを引き続き認めてくれないかといったような要望が出てくると思います。そういう状況であります。  そこで、阪神・淡路大震災と見比べるということ、比較することも復興への一つの近道ということを思いまして、十一月の七日に十日町市、川口町、堀之内町への、地元の尾身県議、また皆川県議の二人の県会議員の案内で、個人的に調査に出掛けたわけであります。道中、細かな説明を受けたわけであります。  比較をしますと、地域の特性では、阪神・淡路の大震災は大都市直下型、住宅密集、新潟中越地震は中山間地域の地震。高齢化は、都市高齢化対これは農村高齢化。避難所は、阪神・淡路大震災の折には大混乱、しかし新潟中越地震は比較的落ち着いている。地域のコミュニティーは、ルートが阪神・淡路大震災のときには多様化して収拾が付かなかった、しかし新潟県は一様にして区長さんが中心となって情報が一本化されているという事実もございます。そして、一番大事な県庁は、兵庫県は大打撃を受けて十分に機能しなかった、しかし新潟県は機能している。また、冬季対策では、兵庫県は降雪に無関係、しかしながら新潟中越地震におきましてはこの豪雪地帯、大きく復興事業にこれから一番大切な時期、足を引っ張られるということがあろうかと思います。  こうしたことを考え合わせながらお尋ねをしたいわけでありますけれども、とにかく原状に戻すというだけではいけないということが阪神・淡路大震災のときに言われたわけなんですけれども、創造的復興という言葉が代名詞となったわけであります。その上で緊急復興三か年計画を策定をいたしました。最初の半年、一年はとにかく解体の必要な建物はきちっと解体しよう、一年以内にもうそういった災害の廃棄物の出ない町、そういうようにしましょうということ、そして二年以内には鉄道とか神戸の港とか、あるいはまた道路といったもの、これインフラを完全に復旧させようということ、三年以内にできたら被災した企業に対しても、今度個人から企業に対しても目を向けていこうという、そういうような年次を追っていった目標とか目的というものを県民が共有したことが極めて大切だったというふうに思えるわけなんですけれども。  そこでお尋ねをしたいわけでありますけれども、新潟中越地震のこの地元被災地では懸命な今復旧作業がなされているわけでありますけれども、日本有数の豪雪地帯であるという地理的条件からは、積雪時期には道路、建物の復旧が非常に難しくなり、当面雪が降る前に損傷家屋の解体作業等などの緊急優先課題が山積をしているわけなんですけれども、来春を待たねばならない事業もあろうかと思いますけれども、具体的な支援策、それと今後の復興計画、そしてスケジュールの策定をどのように考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。 ○政府参考人(柴田高博君)  新潟県の中越地震災害対応でございますが、発災直後から防災担当大臣を本部長といたします非常災害対策本部を設置いたしまして懸命な応急対策を図ってまいりました。政府一丸となって対応を図ってまいりました。発災から一月の間に二十一回にわたりまして本部会議を開催いたしまして対応を決定いたしてきたところでございます。  大体一月たちまして、応急的な対応につきましては、避難所の問題あるいは食料、水の問題等々の問題につきましていろんな手を打ってきたわけでございますが、かなり避難者の数も七千人あるいは六千人台にまでなっていく、あるいは応急仮設住宅の建設も進み、あるいは入居も始まっていくという状況の中にございますんで、これからは、今委員が御指摘のように、地元の方の復旧・復興が重要になってくるんではないだろうかという具合に考えております。  先週の十九日に関係行政機関相互の密接な連携と協力の下、災害復旧・復興を支援するための内閣府の副大臣、林田副大臣を議長とする新潟県中越地震復旧・復興支援会議を設置いたしました。昨日、第一回を開催いたしました。今後、この復旧・復興支援会議において政府が一丸となって新潟中越地震の復旧・復興を進めてまいりたいと考えておるところでございます。委員御指摘のように、阪神・淡路のときには県の方で復興計画を作っていったと。それに対して国の方から随分御支援をいただいたということもあるわけでございますんで、そういうことで懸命な支援活動を努めていきたいと考えております。 ○末松信介君  阪神・淡路大震災のときに、私も記憶に新しいんですけれども、もうとにかく区画整理、道路を広げなきゃならぬということで、区画整理の発表だけは非常に早かったことを記憶しておるわけなんです。私権を制限したということ、もちろんこれは住民の皆さん方との合意が極めて大切なわけなんですけれども。  いずれにしても、復興計画というのは、新潟県から意見を聞きながらですけれども、国がやっぱり声を掛けてやらなきゃならぬ点たくさんあろうかと思うんです。貝原前知事のときでも、あの当時、復興院を作ってはどうかということを政府の関係者から話が出たそうなんですけれども、まちづくり、創造的復興のデザインというものについてはやっぱり自分たちでやっていこうということで、これは独自の計画を策定したわけですけれども、是非ともの支援をお願いしたいと思います。  そこで、二つ目の質問は、実は阪神・淡路大震災の折には復興基金というのを実は創設をいたしました。これからいろいろ被災者の方々は細かな要望が出てまいります。いろいろな一般財源での、適する施策ばっかりじゃないわけなんですね。小回りの利く施策にはやっぱりそういった対応が必要になってくるということなんですけれども、この復興基金を一体創設をしていくということも一つの案であろうかと思うんですけれども、お考えをお伺いしたいということが一つ。  それともう一つは、やはり、せんだって自由民主党の災害復興の委員会がありましたんですけれども、やはり阪神・淡路大震災並みの財政支援をしていくべきではないかということ、特別立法、そういった特別措置法の制定というものをどんどんやはり前向きに考えるべきではないかという話があったわけなんですけれども、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。 ○政府参考人(瀧野欣彌君)  復興基金の関係についてお答えいたします。  今回の新潟県の中越地震災害によりまして被災いたしました地方公共団体におきましては、被害が甚大であることから、御指摘のように、応急対策あるいは復旧対策など様々な経費について相当な財政負担が生じることが見込まれているところでございます。特に新潟県におきましては、既に激甚に指定されております七月の豪雨災害への対応もあるわけでございまして、二重に財政負担が掛かるということで厳しい対応を迫られているというふうに考えております。  この新潟県中越地震の被害に対しましては、これまでも激甚災害の早期指定を始めといたしまして、いろんな形で国として全力を挙げて復興支援に取り組んでいるところでございますけれども、御指摘の基金の設立につきましては、現在、県におきましてどのような財政需要があるか御検討中ということでございます。そういったこともよく踏まえながら、更に行政としての対応の必要なもの、あるいは国の施策との整合性ということも考えながら検討してまいりたいというふうに考えております。 ○末松信介君  新潟県のこの地震被害の規模と兵庫県の地震被害の規模というのは、まだ新潟県は確定していません、兵庫県十兆円でした。新潟県はこれから生ずる逸失利益を入れて三兆円ぐらいということを言われているわけなんですけれども。復興基金というものが正しい施策であるかどうかということは、これはまあ皆さん方一緒になって考えていくべきだと思うんですけれども、しかし、これはやっぱり人生はやっぱりそれぞれの人生がありまして、仕事もいろんなやっぱり仕事をなさっています。いろんな事業をなさっています。やはりきめ細かな、小回りの利く施策を打つにはこういった基金というのは一つのやり方じゃないかということを思うんです。もちろん、運用益って、今の金利ですから、いろいろ問題はあろうかと思います。どこから拠出するかという問題もあろうかと思いますけれども、いずれにしても、よく前向きに御検討いただけたらなということを思います。  これにつきまして、被災者生活再建法についてお伺いしたいんですけれども、地方自治体から、この被災者生活再建支援法につきまして、被害認定基準の見直しとか支援措置の在り方についていろんな要望がなされました。被災者生活再建支援法につきまして弾力的な運用が台風二十三号にも適用されているわけなんですけれども、この弾力的な運用というのは今後も発生する災害に適用されていくのかどうかということにつきましてお伺いしたいと思います。 ○政府参考人(柴田高博君)  本年度の一連の豪雨、台風等の災害によりまして、特に被災者生活再建支援法に関しましては、地震の場合には被害は分かりやすいんですが、水害の場合には床上浸水の認定が非常にしづらいという、それについて明確な取扱いを出していただきたいという御要望がございました。これを受けまして、新潟の地震の後、特に総理の方からも積極的な、同法の積極的な活用により被災者生活支援を図れという御指示もいただいておりましたので、この弾力的な運用を図ることにいたしました。  先月、その内容につきまして地方公共団体に対し通知いたしたところでございます。具体的には、畳が膨張した場合には、畳だけじゃなくて、もう床も使えないという具合に取り扱っておるということ、あるいは浸水の水位が低位でございましても、壁内部のパネルや断熱材の吸水によりまして壁全部が膨脹している場合には内壁全面の損傷として取り扱うということ、あるいは台所の流し台、浴槽、洗面所、便器などの設備が浸水によりまして衛生設備としての機能を損失するといった場合には水回り、設備関係全体の損傷として取り扱うというようなきめの細かい弾力的な取扱いを行い、これによりまして支援法の積極的な活用を図っていきたいと考えてございます。  この弾力的な運用につきましては、今後発生する災害につきましても当然これが適用されるわけでございまして、この通知の趣旨を十分踏まえまして、地域あるいは被害の実情に応じて支援法の積極的な活用を図ることにより被災者の生活再建支援を進めていただきたいというように考えております。 ○末松信介君  よろしく、今後におきましても被災者大変でございますので、将来における災害につきましても弾力的運用ということを強く求めてまいりたいと思います。と同時に、兵庫県では居住安定を今やっておられますけれども、やっぱり住宅本体の再建ということについて一歩やっぱり踏み込んだ考え方というのをこれからも、これはもう災害特別委員会で附帯決議なんかもなさっておりますけれども、これから政府当局も一遍御検討を、これから前向きに考えていっていただきたいということを強く御要望申し上げたいと思います。  次に、時間が迫ってきましたので、円山川のことについて御質問申し上げます。  円山川周辺というのは、これは湿地帯でありまして、非常に地盤が実は軟弱でございます。柴田統括官、御存じだと思うんですけれども。このため堤防は整備完成時より沈下を来してきており、特に今回破堤した箇所については堤防躯体の設計計画より著しく沈下していた可能性があるということを一部の関係者やマスコミの方が実は御指摘をされているわけなんですけれども、円山川の破堤原因につきまして、先日、円山川堤防調査委員会により二十三日に中間報告がなされたんですけれども、その中で国直轄管理部分、有堤区間のうち円山川の立野地区では現流下能力の毎秒三千九百立方メートルに対して、ピーク時には毎秒四千二百立方メートルを超える出水がありまして、整備中の箇所が多い現状の堤防の能力を大幅に超える雨量によりまして越流が発生したことが堤防決壊の原因ではないかということが聞かされているわけなんですけれども、そこであえてお伺いをしたいわけなんですけれども、計画高水位に対して堤防竣工時の計画高と偏差なく余裕のあるものであったのかどうかということを実はお伺いしたいわけです。つまり堤体そのものが強度不足がなかったのかどうかということ、堤防がやせていたんではないかというそういった不安が地元にあるわけなんです。  この点について、現状をどのように把握されておられるのか、見解をお伺いしたいと思います。 ○政府参考人(清治真人君)  円山川におきましては、破堤によりまして大変な被害が発生したわけでございますが、今委員からお話ありましたように、堤防調査委員会でその原因につきまして調査検討を進めているところでございます。  なお、今回流域に大変強い雨が降った、集中的に降ったということがございまして、流量は今おっしゃられたように四千二百トンぐらいが流れたわけでございますが、これによりまして円山川の至る所で堤防から越水をしたわけでございます。調査によりますと、二十五か所で約、延長にしまして七キロぐらいの区間が越水したのではないかというふうに推測されているところでございますが、破堤箇所につきましても、そのうちの越水箇所でございまして、これにつきましては今お話ありました十一月二十三日の第二回目の中間報告におきまして主な原因として考えられるのは越水ではないかというお話をされているわけでありますが、なお浸透破壊が重なった可能性もあるのではないかということでボーリング調査の結果でありますとか浸透解析、こういうことを行いまして、次回、三回目の委員会でその原因について特定される見込みになっております。 ○末松信介君  まあ現状ではこれが原因だということはまだ現在進行形で調査中ということでございますので、ただ、国の直轄河川がこれ破堤したということは随分地元も大きなショックを受けておりますし、河川局当局の皆さん方も恐らく同じ気持ちであるのは当然のことだと思うんですけれども、原因究明を急いでほしいと思うんですが、取りあえず応急の復旧、緊急の復旧はまずなされたということでございます。現場も見てまいったわけなんですけれども。  そこで、この地元住民からはまたこれ再発するんじゃないかという不安が当然出てきているわけなんですね。それで、今後本格復旧を、恒久的な復旧対策を講じていく上で、河床を下げるのかどうかとか、また、のり面をコンクリートで少しは固めるのかどうかとか、私にはこれなじみにくいと思うんですけれども、スーパー堤防をこれやったらどうかというような話もいろいろとあろうかと思うんですけれども、現時点で考えられる改良復旧、この本格復旧工事というのはどういうものがあるのかということを、その工法をどういうことを検討されておられるのかということをお伺いしたいと思うんです。  それと併せて、豊岡市というのはやはりこの保水能力が随分弱い地域なんです。ですから、内水対策と本川対策と両方やっていかなきゃいけないと。内水対策については、雨水の下水幹線を整備していくとか、あるいは公共施設の下には貯水槽を作るとか、いろんなことをやっぱり考えなきゃならぬというそういうことを、これは当然県や市が考えなきゃならぬ点あるんですけれども、こういった点も含めて国としての御見解を伺いたいと思います。 ○政府参考人(清治真人君)  今、近畿地方整備局の方で今回の工事を踏まえまして再度の災害防止すべくいろいろな対策を組み合わせて緊急重点的に実施していく計画を検討中でございます。  その中で、先ほど先生からお話ありました堤防でございますが、地盤が非常に悪いところで、堤防盛っても沈下していくというところでございますが、この堤防のかさ上げ並びに腹付けといいますか、拡築についてはいわゆるしっかりと所定の高さを目標に整備を進めていかなければならないと思いますが、それに加えまして、この円山川は河道の断面が不足しておりますので、河床の掘削というのが非常に重要な治水の要素になってまいります。  この今検討している中でも河川を掘るということが一つの重要な方策になっておりまして、併せて洪水の疎通に対して支障になっております橋梁の架け替え、それから堤防自体の補強、こういうものを組み合わせていこうと思っておりますが、それに加えまして、御指摘のようにあの円山川の今回は左岸側の市街地部分については、これは破堤の浸水ではありませんで、内水の浸水でありますが、こういうところにつきましても河川の方の流下能力を上げるということに併せて内水対策の増強あるいは内水河川の整備、こういうものも併せて総合的に実施していく必要があろうかと思っておりまして、現在緊急的に実施する計画につきまして検討中でございます。 ○末松信介君  円山川というのはやっぱり洪水の歴史を持っていますし、あの地域、確かに水があふれて越水をしてきたということが、地形的にも盆地になったりしていますのでよく分かります。  河床掘削ということももうこれは重要な一つの選択肢であるということを伺ったわけなんですけれども、とにかく技術的なことは清治局長が一番お詳しいわけでありまして、速やかに住民の皆さん方が不安が解消される説明をきちっとやってほしいということと同時に、まあ通常の管理体制というのはきちっとできていると思うんですけれども、これは目視やいろんなやり方あると思うんですけれども、徹底したこの管理体制というものをこれからより強く作り上げていっていただきたいということを要望申し上げたいと思います。  それと、次の質問なんですけれども、昨今のこの異常気象のことにつきましてなんですけれども、この前も山本香苗委員が御質問されたと思うんですけれども、この計画高水位の問題ですよね。非常に雨量が、これ例えば洲本川だったら五十年に一回降るあの雨が、実に二年間で四回降っているということなんですよね。ですから、もう考えられないような雨が降るという、そういう時代に入ってきておると。  こういった気象の状況の昨今なんですけれども、危険箇所につきまして、この円山川の周辺もいろんなところほかにもあろうかと思うんですけれども、どのようにチェックをこれからしていくのかということ、全国の河川も全部考えていただきたいわけなんです。  それと同時に、この計画高水位というものについて、これはもう一度見直すべきかどうかということについて局長の見解をお伺いしたいと思います。 ○政府参考人(清治真人君)  今年の度重なる水害を受けまして抜本的な見直しを行うことにしておりますが、その中で、計画を上回るような出水を受けたようなところにつきましては、当然これは計画の中でどのように取り組んでいくか、取り込んでいくかということが重要になってまいりますので、計画の見直しというのが必要になってくると思います。  その中で、今、計画高水位の話がございましたが、河川につきましては、なるべくこの水位を高くしないということが基本でございますので、水位を高くしないで、しかも流量が増えても流せるようなそういう対策を講じていきたいということが基本的なスタンスでございます。  そういう意味では、今回、円山川につきましては、雨量につきましても流量につきましても今持っております計画の中に入っておりますので、円山川自体の計画の見直しというのはこれを契機にして必要になるということはないわけでございますが、いかんせん、河川の流下能力が不足しておりますので、そういうところでの対策を進めていきたいと。  それから、洲本川のお話がございましたが、これにつきましては、やはりしばしば起こる強い雨に対して計画がどうあるべきかということも含めまして、今後、河川の流下能力を高めるためのいろいろな方策を講じていくために県の方が検討中でございますので、河川局としましても、その相談に応じまして今後支援してまいりたいと、こういうふうに考えております。 ○末松信介君  今、洲本川の話ありましたけれども、あそこも現地赴いたんですけれども、もう改修は終わっていますよね。終わっていて水があふれるということでありますから、これはもうどうしようもないという、正に河川に無限の安全性を求めていくということは非常に難しいということを思うんですよね。川というのはやっぱり危険であるという認識をやっぱり我々持たなきゃならぬということを、そのように思います。  それで、ただ、洲本川なんか考えますと、じゃ、ほっておいたらどうするんだと、二年間で四回も何十年に一回しか降らないはずの雨が降ってしまうという状況でありますから、そういう面では災害助成事業で、またこれも河床を下げるのか、堤防を上げるのかということを、既存の改修が終わった河川についても、やはり県からそういう要請なりが出てきた場合、積極的なやっぱり支援というものを、いろんな知恵というものをやっぱり出していただきたいということを、このことを強く求めておきたいと思います。  時間が迫ってまいりましたので最後の質問にしたいと思うんですけれども、激甚災害の指定についてお伺いをいたします。  昨晩、本日閣議に諮られるそうなんですけれども、平成十六年十月十八日から同月二十一日までの間の豪雨及び暴風雨、すなわち台風二十三号による被害と新潟県中越地震による災害を激甚災害に指定する旨閣議に諮られることが決まったという話を聞かされました。大変喜んでいるわけでございます。激甚災害の指定政令の公布までおおむね二か月掛かると言われているんですけれども、わずか一か月でできたということについては、恐らく職員の皆さん方はもう大変な御苦労があったと思うんです。通常のお仕事を横に置いておいて対応されたということ、よく分かります。心から本当に敬意と感謝を表したいと思います。  ただ、台風二十三号の被災地なんかに赴きますと、もうとにかく町長さんや関係者の方が言われるのは、激甚災害に指定されるのかどうかということに話が全部行き着いてしまうということなんですよね。もうこの一点に絞られてしまうと。そうでないと、本格復旧していいのか簡単な原状の復旧をすべきかというこの判断が付かないということ、早く復旧を始めたいということ、この意味からそういうことが述べられていると思うわけなんですけれども。  今後、この激甚災害の指定の在り方ということについては、もうこれは一連の流れがあります。市町村での被害の査定をして、そして提出をする、そして関係省庁においてこれもまた同じような評価をしていくということによって決まってくるわけなんですけれども、これ、でき得ることならば、何か手続を省略化して、例えば航空写真なんか見ても明らかにもう激甚災害の指定を受けてしかるべきだというとき、何らかのこの手続を省略化して、簡素化して、指定を急ぐことができるような仕組みを作ることができないのかどうか、この点についての御見解を是非お伺いしたいと思います。 ○政府参考人(柴田高博君)  激甚災害指定につきましての手続は、まず被災を受けられました県や市町村の方から見積額を、査定額ではございませんで、見積額を出していただいて、それに基づいて政府の方で検討して、大体二月ぐらいで激甚災害指定になるわけでございますが、御指摘のように、今回の台風二十三号それから中越地震につきましては大変大きな災害でございました。台風で、これはどちらとも非常災害対策本部を政府に置いたわけでございますが、水害、台風関係、水害関係でいいますと、平成五年の鹿児島の甲突川以来十一年ぶりに非常災害対策本部を設置しました。それから数日後に中越地震で非常災害対策本部を設置しました。これは阪神・淡路以来約十年ぶりに置いたわけでございます。非常に、そういう意味では非常に大きな災害が二つ起きたと。  こういう中では、その被災地の地方公共団体、地元は応急復旧でてんやわんやで、被害額を、見積額を出すというような状況じゃないということでございまして、村田防災担当大臣より非常災害対策本部の席上で、特例的に国土交通省、農林水産省など国の職員が現地に出掛けていって被害を見積りをするようにという御指示をいただきました。それによりまして早期の被害、国が一生懸命やりまして早期把握を行いまして、明日、一月程度で指定できるようになったわけでございます。  今後の大規模災害にこのような措置を講ずるかどうかにつきましては、その時々の被害の状況等を見極めつつ判断するという具合になろうかと思っております。相当早くやったわけでして、これ以上に航空写真でどうかということについては、ちょっと我々としてもなかなか難しいのではないかという感じがいたしておりますが、できるだけ速やかに今後ともやっていきたいと考えております。 ○末松信介君  昨日質問を取りに来られた方も、もう本当に目一杯やったから評価してほしいのに、今度これを制度化、急いで制度化をしてくれということについては酷だという話もお伺いしました。  時間ですね。はい、済みません。  そういうことを聞いております。とにかく、こういうことが地元の声として、地方にはそういった声があるということを是非御認識をしていただきたいと思います。  最後になりましたけれども、柴田統括官は兵庫県の都市住宅部長として震災復興の先頭に立たれて、一番この復興については詳しいわけでありまして、その知恵が恐らく新潟県の中越地震対策に生かされるであろうということを県民こぞってみんな熱い視線を寄せておりますので、北側大臣を中心として、国土交通省そして内閣府ともに国民のために御活躍いただきますことをお祈り申し上げまして、二分ほど延びましたけれども、私の質問を終えたいと思います。  ちょっと長時間済みませんでした。ありがとうございました。