本出張の目的は、インフラ輸出のトップセールスです。昨年8月に初めてケニアで開催されたTICAD-Ⅵを踏まえ、国土交通省として、我が国の提唱する「質の高いインフラ投資」の理解を促進し、本邦インフラ関連企業の現地進出を支援するため、「日・ウガンダ官民インフラ会議」と「日・ザンビア官民インフラ会議」を先方政府と共催いたしました。
日本企業134社が参画するアフリカインフラ協議会(JAIDA)会員より、ウガンダでは23社約60名、ザンビアでは19社が参加しました。ウガンダでの会議は約280名、ザンビアでの会議は約380名の方々にご参加いただき、共にたいへんな盛況ぶりで、会場は熱気に包まれました。
ウガンダでは、アズバ公共事業大臣との間で、「質の高いインフラ投資」推進及び協力関係の継続に係る覚書に合意し、署名するとともに、フジタ、豊田通商、清水建設とウガンダ建設協会(UNABCEC)との間でインフラ分野に関する協力に係る覚書が署名されましたので、これに立ち会いをいたしました。
アズバ大臣と「質の高いインフラ投資」推進及び協力関係の継続に係る覚書に署名
また、ルグンダ首相、アズバ公共事業大臣、バギーレ運輸国務大臣と会談いたしました。ウガンダの人々は、明るく親しみやすい国民性であるという印象を強く受けました。
ルグンダ首相とバイ会談
ザンビアでは、チトテラ住宅インフラ開発大臣との間で、「質の高いインフラ投資」推進及び協力関係の継続に係る覚書に合意し、署名するとともに、フジタ、豊田通商、清水建設とザンビア建設委員会(NCC)との間でインフラ分野に関する協力に係る覚書が署名されましたので、これに立ち会いをいたしました。
チトテラ大臣と覚書署名
またチトテラ大臣、ンクワ公共事業調達大臣らと会談を行いました。
ザンビアの首都ルサカは、清潔な都市であり、また、中間所得者層が増加しているとのことで、大型のショッピングモールが建ち並ぶなど、想像していたよりもずっと発展しているのが印象的でした。
なお、ザンビアのマテロ病院ではチルフヤ保健大臣がおみえになり、医療施設不足について日本の協力を強く求める訴えがあり、心に刻まれています。
ザンビアの平均寿命は48歳、5歳未満児の死亡率が89/1000とのことです。日本は3/1000です。妊婦死亡率、エイズ感染率などが高く、依然として厳しいアフリカの現実を知ることとなりました。
チルフヤ大臣と共にマテロ病院を視察
また、今回の出張では、ウガンダ、ザンビアの首相や大臣に対して、2025年の大阪・関西での万博開催について応援いただくよう要請しました。ウガンダのルグンダ首相からは、「日本の万博開催の立候補に向けた動きを歓迎する」とのお言葉もいただきました。
今回の出張は、東京からドバイ経由で片道約18時間かかり、大変な長旅となりましたが、ウガンダ、ザンビア両国共に、先方政府からこれまでの日本のODA支援に対する感謝の意を表明いただき、今後の協力関係に対する高い期待を感じることができました。
アフリカは地理的にも日本から遠く、各国共それぞれ程度の違いこそあれ、日本企業にとって事業展開は容易ではないと思います。日本企業のアフリカ進出は未だ限定的です。
海外建設協会が取りまとめた2015年度の会員企業の海外受注実績を見ると、世界全体での受注が1兆6825億円であるのに対して、アフリカでの受注は97億円にとどまっています。しかしながら、近年、高い経済成長率を記録し、年間約100兆円もの膨大なインフラ需要があるとされるアフリカの市場の潜在価値はとても大きなものがあります。
現地では、中国、欧米諸国等の政府支援や企業進出が多く見受けられたことも強く印象に残っております。私も、インフラ輸出のトップセールスなどを通じて、アフリカなど諸外国と我が国の持続的な経済成長に、貢献してまいりたいと思います。