安倍総理とモディ首相は、新幹線に同乗して東京から神戸へお越しになりました。神戸到着後、まずは兵庫県知事公館において総理主催の昼餐会が催されました。歴史ある兵庫県知事公館でこのようなイベントが開催されましたことは、神戸の歴史・文化をご紹介申し上げる上でも、また我が国にとって重要な賓客であるモディ首相をおもてなしする上でも大変に喜ばしいことです。
日本側は、安倍総理始め政府関係者に加え、兵庫県からは井戸知事と久元神戸市長、地元経済界の主要企業等がご出席されました。昼餐会はたいへん和やかなムードの中、行われました。モディ首相は、落ち着いた雰囲気をまとい、まさに「インドの父」とでもいうべき風格をお持ちの方でした。
インド側の新幹線に対する関心は大変高いものがありまして、私の隣席のインド外務省の東アジア担当局長は、食事中も盛んに新幹線に関する質問をなさってくださいました。私も微力ながら一生懸命、インド外務省の局長さんの熱心なご質問にお答えさせていただきました。
その後、新幹線を製造している川崎重工業の兵庫工場へ移動し、モディ首相に新幹線の製造工程を視察していただきました。
モディ首相(左から3人目)と川崎重工業兵庫工場エントランスにて
モディ首相は熱心に川崎重工業の方の説明に耳を傾け、興味深く製造工程の現場を視察され、大勢ご参集いただいていたマスコミの方々に対して、非常に有意義な視察であり、大変感謝していることを仰っていました。今回の神戸訪問は成功裏に終わったものと考えます。
安倍総理及び県選出国会議員らと
インドへの新幹線輸出については、2014年の日印首脳会談(東京)において、安倍総理より、新幹線システムの導入を前提に「資金面・技術面・運営面での支援」を提供する用意がある旨表明したことを端緒として日印共同調査が行われ、その後、2015年12月、日印首脳会談(デリー)に際し、日印両政府間においてムンバイ・アーメダバード間高速鉄道に関する協力覚書に署名し、日本の新幹線システムを利用した整備、円借款の供与、人材育成、技術育成等が計画されております。
本年に入ってからは、日印両政府の上級職員を長とする合同委員会を3回開催して詳細について協議を行い、今回の日印首脳会談に至りました。
今回の日印首脳会談において、安倍総理、モディ首相の両首脳は日印共同声明に署名し、年内の高速鉄道の設計業務開始、2018年の工事開始、2023年の開業を目指すことで合意しました。今後の高速鉄道に関する日印協力に関しては、まずはムンバイ・アーメダバード間高速鉄道の着実な実施が大切です。
更には、インド政府の7路線の高速鉄道構想に関しまして、ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道以外の6路線における協力についても日本側は高い期待を有しております。新幹線は、半世紀以上の安全・信頼の実績を有する我が国の誇る交通インフラであり、その海外展開の推進はたいへん重要な政策であると考えます。
今後の日印間の協力に関する検討を始め、鉄道システムの海外展開について、私も国土交通副大臣としてトップセールス等にしっかりと取り組んでまいります。