朝9時に熊本県庁を表敬訪問すると、蒲島郁夫・熊本県知事にご面談いただきました。
知事からは、今回の震災に関する国交省の取り組みに対して謝意が伝えられ、「くまもと復旧・復興有識者会議」座長の五百旗頭真氏は、阪神大震災の際も兵庫県民として被災を経験されておられるエピソードや、熊本は地震が少ない地域と思っていたが、今回地震発生から一時間以内には自衛隊への出動要請が行なえたことなど、貴重な実態、実情について拝聴することができました
私からは、21年前の阪神も、地震が少ない地域とみんな思っていたことや、その際自衛隊の出動要請が遅れた反省・教訓の重要性、そして蒲島知事が創造的復興に意欲的に取り組んでおられることへの敬意を、改めてお伝えさせていただきました。

蒲島熊本県知事と
その後、重要文化財である石垣や橋など、極めて価値の高い文化財が存在する熊本城の被災状況を、河田日出男熊本城総合事務所長他皆様に説明をいただきながら、視察させていただきました。
修復の期間と費用については、熊本城全体で20年としていますが、詳細な期間については来年度作成予定になっています。

熊本城の被災状況の説明を受ける
その後、住宅被害が最も大きい益城町にて、住宅被災の損壊状況を、益城町の担当課長の皆様にご説明いただきながら、視察をさせていただきました。
解体作業の進捗状況や公費負担手続の現況等について、実際に確認しながら、説明を受けました。

益城町の住宅被災箇所を視察
正午から、県内最大の応急仮設住宅団地である益城町テクノ仮設団地を視察し、計画概要及び入居者のコミュニティ形成支援の取り組みについて、ご説明を頂戴しました。
私からは、阪神や東日本の教訓として、仮設住宅についてはコミュニケーションが大事であるが、益城町では上手に取り組んでおられることに敬意を申し上げると共に、仮設住宅は最後に撤去するまで長期間の管理と維持が必要となり、大変なご苦労をおかけすることになるが、入居者の皆様の利便性、安全性を最優先しながら、引き続きお取り組みいただくことをお願い申し上げました。
被災した方にも様々な方がいらっしゃるので、どれだけ自立に向けて支援できるかが課題とのことでした。

益城町の応急仮設住宅について説明を受ける
午後には、阿蘇大橋地区、阿蘇長陽大橋を視察させていただきました。
現在、土留をつくり、高所作業機で不安定土砂を取り除いており、施工については、遠隔で1キロ下流から無人重機を操作する形で行なっているとのことです。その後の工法は検討委員会で有識者にも相談しながら進めていくとのことです。
阿蘇大橋の位置についても、付け替え位置は、現在より約600m下流になり、国道57号の主な交通や、断層の位置を踏まえて、位置を決めたとの説明がありました。
その後、南阿蘇鉄道の土砂崩落箇所、立野橋梁を視察いたしました。被害が集中しており、被害が大きいため、社や自治体単独での復旧は困難であり、国としても可能な限りバックアップしていきたい旨お伝えいたしました。南阿蘇鉄道の津留恒誉専務からは、復旧にどれくらいかかるか見えないが、かなり厳しい。地元の足、観光の足として重要な路線なので頑張りたい。国と連携し、今年度中に調査結果の報告書をまとめたい、との方針をお伺いいたしました。

阿蘇大橋地区の被災・復旧状況の説明を受ける

長陽大橋の被災・復旧状況を視察

南阿蘇鉄道の被災状況の説明を受ける
熊本の復旧・復興に向けて、阪神大震災や東日本大震災の反省・教訓もしっかり生かしながら、国土交通副大臣として引き続き緊張感をもって、取り組んで参りたいと思います。