私が委員長をつとめております、参議院外交防衛委員会の、第185回臨時国会(会期 平成25.10.15 ~ 25.12.8 計55日間)の法案審議についてご報告いたします。
委員一覧(21名)
末松信委員長 介(自民) 岡田 直樹(自民) 藤田 幸久(民主)
理 事 尾 秀久(自民) 小坂 憲次(自民) 牧山 ひろえ(民主)
理 事 佐藤 正久(自民) 島尻 安伊子(自民) 河野 義博(公明)
理 事 松山 政司(自民) 牧野 たかお(自民) 小野 次郎(みん)
理 事 福山 哲郎(民主) 三木 亨(自民) 中西 健治(みん)
理 事 石川 博崇(公明) 北澤 俊美(民主) 井上 哲士(共産)
宇都隆史(自民) 白眞勲(民主) アントニオ猪木(維新)
(25.10.29 現在)
(1)審議概観
第185回国会において本委員会に付託さ
れた案件は、条約11件(うち本院先議3
件)及び内閣提出法律案1件の合計12件
であり、そのいずれも承認又は可決した。
また、本委員会付託の請願18種類78件
のうち、1種類4件を採択した。
〔条約及び法律案の審査〕
・障害者の権利の実現
障害者の権利に関する条約は、障害者の人権及び基本的自
由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳
の尊重を促進することを目的として、障
害者の権利の実現のための措置等につい
て定めるものである。委員会においては、
本条約の締結の意義と国内法制の課題、
条約の国民への周知方法、条約実施を監
視する国内機関の在り方等について質疑
が行われたほか、参考人からの意見聴取
が行われ、全会一致をもって承認された。
・緊急事態における在外邦人等の陸上輸送
自衛隊法の一部を改正する法律案は、
外国における緊急事態に際して防衛大臣
が行う在外邦人等の輸送について、当該
輸送に際して同乗させることができる者
の範囲を拡大し、及び当該輸送の手段と
して車両を加えること、外国の領域にお
いて当該輸送の職務に従事する自衛官が、
その職務を行うに伴い自己の管理下に
入った者の生命等の防護のためやむを得
ない場合に武器を使用することができる
ようにすること等について定めるもので
ある。
委員会においては、本法律案提出
の理由と在アルジェリア邦人に対するテ
ロ事件の教訓、輸送実施に関する判断基
準、陸上輸送に係る情報収集体制の強化、
自衛隊の携行する武器等について質疑が
行われ、討論の後、多数をもって可決さ
れた。なお、情報収集や現地当局との緊
密な連携等に一層配慮し、陸上輸送を安
全に実施することに遺漏なきを期すこと
等の4項目から成る附帯決議を行った。
・郵便の国際協力と政府調達市場の開放
万国郵便連合一般規則(二千十二年のドーハ大会議において改正され、及び採択さ
れたもの)及び万国郵便条約は、万国郵
便連合の運営等及び国際郵便業務に関す
る事項についての所要の変更を加えるた
め、現行の万国郵便連合一般規則及び万
国郵便条約を更新するものである。郵便
送金業務に関する約定は、郵便送金業務
に関する事項についての所要の変更を加
えるため、現行の郵便送金業務に関する
約定を更新するものである。政府調達に
関する協定を改正する議定書は、政府調
達に関する協定の適用を受ける機関及び
サービスの拡大、開発途上国の政府調達
協定への加入に関する特別な取扱い、調
達における電子的手段の利用等について
定めるものである。
委員会においては、万国郵便連合の役割と国際郵便配達目標
の達成への対応、国際郵便物に係る到着
料引上げの影響と開発途上国への配慮、
政府調達協定の改正に伴う政府調達市場
の拡大と我が国の取組、開発途上国等の
政府調達協定への加入促進等について質
疑が行われ、万国郵便連合一般規則及び
万国郵便条約はいずれも全会一致をもっ
て、政府調達協定改正議定書は多数をもっ
て承認された。
・投資の保護・促進
投資の促進及び保護に関する日本国政府とパプアニューギニ
ア独立国政府との間の協定、投資の促進
及び保護に関する日本国とイラク共和国
との間の協定、投資の自由化、促進及び
保護に関する日本国とコロンビア共和国
との間の協定、投資の促進及び保護に関
する日本国とクウェート国との間の協定、
投資の促進、円滑化及び保護に関する日
本国政府、大韓民国政府及び中華人民共
和国政府の間の協定は、いずれも投資家
とその所有・支配する投資財産に対し、
内国民待遇及び最恵国待遇を原則として
供与すること等を規定するものである。
これらのうち、パプアニューギニア及び
イラクとの協定は、投資財産の設立後に
おいて、また、コロンビア及びクウェー
トとの協定は、投資の許可段階及び許可
後において、さらに、日中韓投資協定は、
投資の許可後において、それぞれ内国民
待遇及び最恵国待遇を供与することとし
ている。あわせて、これらの協定は、現
地調達要求など特定措置の履行要求の原
則的禁止、公正衡平待遇義務、収用等の
措置がとられた場合の補償措置、支払等
の自由な移転、投資紛争の解決のための
手続等について定めるものである。委員
会においては、我が国の投資協定の締結
が遅れている理由と今後の締結方針、日
中韓投資協定締結の意義と同協定におけ
る外国人投資家による土地取得の留保、
イラクとの投資協定締結と経済関係の促
進、投資家対国家の紛争解決手続が有す
る機能等について質疑が行われ、いずれ
も全会一致をもって承認された。
・社会保障に関する二国間協力
社会保障に関する日本国とインド共和国との間の
協定及び社会保障に関する日本国とハン
ガリーとの間の協定は、年金制度等の適
用の調整及び加入期間の通算による年金
の受給権の確立等について定めるもので
あり、そのうち、インドとの協定は年金
制度を、また、ハンガリーとの協定は、
年金制度、医療保険制度等を対象として
いる。委員会においては、社会保障協定
の意義と今後の締結方針等について質疑
が行われ、いずれも全会一致をもって承
認された。
〔国政調査〕
11月5日、在外邦人の保護、日露関係、
北朝鮮政策、日米安全保障協議委員会(2
+2)の共同発表、元戦争捕虜の招へい、
日中関係、特定秘密の保護に関する法律
案、武器輸出三原則、MV22の訓練移転
等について質疑を行った。
(2)委員会経過
○平成25年10月29日(火)(第1回)
理事の選任及び補欠選任を行った。
外交、防衛等に関する調査を行うことを決定
した。
○平成25年11月5日(火)(第2回)
政府参考人の出席を求めることを決定した。
在外邦人の保護に関する件、日露関係に関す
る件、北朝鮮政策に関する件、日米安全保障
協議委員会の共同発表に関する件、元戦争捕
虜の招へいに関する件、日中関係に関する件、
特定秘密の保護に関する法律案に関する件、
武器輸出三原則等に関する件、MV22の訓練
移転に関する件等について岸田外務大臣、小
野寺防衛大臣、野上国土交通副大臣、岡田内
閣府副大臣、武田防衛副大臣、木原防衛大臣
政務官及び政府参考人に対し質疑を行った。
〔質疑者〕
佐藤正久君(自民)、白眞勲君(民主)、藤
田幸久君(民主)、石川博崇君(公明)、小
野次郎君(みん)、井上哲士君(共産)、儀
間光男君(維新)
万国郵便連合一般規則(二千十二年のドーハ
大会議において改正され、及び採択されたも
の)及び万国郵便条約の締結について承認を
求めるの件(閣条第9号)
郵便送金業務に関する約定の締結について承
認を求めるの件(閣条第10号)
政府調達に関する協定を改正する議定書の締
結について承認を求めるの件(閣条第11号)
以上3件について岸田外務大臣から趣旨説明
を聴いた。
○平成25年11月7日(木)(第3回)
理事の補欠選任を行った。
政府参考人の出席を求めることを決定した。
参考人の出席を求めることを決定した。
万国郵便連合一般規則(二千十二年のドーハ
大会議において改正され、及び採択されたも
の)及び万国郵便条約の締結について承認を
求めるの件(閣条第9号)
郵便送金業務に関する約定の締結について承
認を求めるの件(閣条第10号)
政府調達に関する協定を改正する議定書の締
結について承認を求めるの件(閣条第11号)
以上3件について小野寺防衛大臣、岸田外務
大臣、岸外務副大臣、西村内閣府副大臣、牧
野外務大臣政務官、山本財務大臣政務官、牧
原環境大臣政務官、木原防衛大臣政務官、政
府参考人及び参考人日本郵政株式会社常務執
行役諫山親君に対し質疑を行った後、いずれ
も承認すべきものと議決した。
〔質疑者〕
藤田幸久君(民主)、牧山ひろえ君(民主)、
福山哲郎君(民主)、中西健治君(みん)、
井上哲士君(共産)、室井邦彦君(維新)、
河野義博君(公明)、三木亨君(自民)
(閣条第9号)
賛成会派 自民、民主、公明、みん、共産、
維新
反対会派なし
(閣条第10号)
賛成会派 自民、民主、公明、みん、共産、
維新
反対会派なし
(閣条第11号)
賛成会派自民、民主、公明、みん、維新
反対会派共産
○平成25年11月12日(火)(第4回)
自衛隊法の一部を改正する法律案(第183回
国会閣法第63号)(衆議院送付)について小
野寺防衛大臣から趣旨説明を聴いた。
○平成25年11月14日(木)(第5回)
政府参考人の出席を求めることを決定した。
自衛隊法の一部を改正する法律案(第183回
国会閣法第63号)(衆議院送付)について小
野寺防衛大臣、岸田外務大臣、木原防衛大臣
政務官及び政府参考人に対し質疑を行い、討
論の後、可決した。
〔質疑者〕
白眞勲君(民主)、大野元裕君(民主)、中
西健治君(みん)、井上哲士君(共産)、中
野正志君(維新)
(第183回国会閣法第63号)
賛成会派自民、民主、公明、みん、維新
反対会派共産
なお、附帯決議を行った。
○平成25年11月19日(火)(第6回)
投資の促進及び保護に関する日本国政府とパ
プアニューギニア独立国政府との間の協定の
締結について承認を求めるの件(閣条第1号)
(衆議院送付)
投資の自由化、促進及び保護に関する日本国
とコロンビア共和国との間の協定の締結につ
いて承認を求めるの件(閣条第2号)(衆議
院送付)
投資の促進及び保護に関する日本国とクウ
ェート国との間の協定の締結について承認を
求めるの件(閣条第3号)(衆議院送付)
投資の促進、円滑化及び保護に関する日本国
政府、大韓民国政府及び中華人民共和国政府
の間の協定の締結について承認を求めるの件
(閣条第4号)(衆議院送付)
投資の促進及び保護に関する日本国とイラク
共和国との間の協定の締結について承認を求
めるの件(閣条第5号)(衆議院送付)
以上5件について岸田外務大臣から趣旨説明
を聴いた。
○平成25年11月21日(木)(第7回)
政府参考人の出席を求めることを決定した。
投資の促進及び保護に関する日本国政府とパ
プアニューギニア独立国政府との間の協定の
締結について承認を求めるの件(閣条第1号)
(衆議院送付)
投資の自由化、促進及び保護に関する日本国
とコロンビア共和国との間の協定の締結につ
いて承認を求めるの件(閣条第2号)(衆議
院送付)
投資の促進及び保護に関する日本国とクウ
ェート国との間の協定の締結について承認を
求めるの件(閣条第3号)(衆議院送付)
投資の促進、円滑化及び保護に関する日本国
政府、大韓民国政府及び中華人民共和国政府
の間の協定の締結について承認を求めるの件
(閣条第4号)(衆議院送付)
投資の促進及び保護に関する日本国とイラク
共和国との間の協定の締結について承認を求
めるの件(閣条第5号)(衆議院送付)
以上5件について岸田外務大臣、小野寺防衛
大臣、愛知財務副大臣、岸外務副大臣、西村
内閣府副大臣、木原外務大臣政務官、小泉内
閣府大臣政務官、木原防衛大臣政務官及び政
府参考人に対し質疑を行った後、いずれも承
認すべきものと議決した。
〔質疑者〕
佐藤正久君(自民)、牧山ひろえ君(民主)、
金子洋一君(民主)、石川博崇君(公明)、
中西健治君(みん)、井上哲士君(共産)、
清水貴之君(維新)
(閣条第1号)
賛成会派 自民、民主、公明、みん、共産、
維新
反対会派なし
(閣条第2号)
賛成会派 自民、民主、公明、みん、共産、
維新
反対会派なし
(閣条第3号)
賛成会派 自民、民主、公明、みん、共産、
維新
反対会派なし
(閣条第4号)
賛成会派 自民、民主、公明、みん、共産、
維新
反対会派なし
(閣条第5号)
賛成会派 自民、民主、公明、みん、共産、
維新
反対会派なし
○平成25年11月26日(火)(第8回)
社会保障に関する日本国とインド共和国との
間の協定の締結について承認を求めるの件
(閣条第6号)(衆議院送付)
社会保障に関する日本国とハンガリーとの間
の協定の締結について承認を求めるの件(閣
条第7号)(衆議院送付)
障害者の権利に関する条約の締結について承
認を求めるの件(閣条第8号)(衆議院送付)
以上3件について岸田外務大臣から趣旨説明
を聴いた。
また、障害者の権利に関する条約の締結につ
いて承認を求めるの件(閣条第8号)(衆議
院送付)について参考人の出席を求めること
を決定した。
○平成25年11月28日(木)(第9回)
障害者の権利に関する条約の締結について承
認を求めるの件(閣条第8号)(衆議院送付)
について次の参考人から意見を聴いた後、各
参考人に対し質疑を行った。
〔参考人〕
東京大学先端科学技術研究センター客員研
究員川島聡君
特定非営利活動法人DPI(障害者イン
ターナショナル)日本会議事務局長尾上
浩二君
社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会理事
長久保厚子君
日本障害フォーラム(JDF)幹事会議長
藤井克徳君
〔質疑者〕
三木亨君(自民)、福山哲郎君(民主)、河
野義博君(公明)、中西健治君(みん)、井
上哲士君(共産)、儀間光男君(維新)
○平成25年12月3日(火)(第10回)
政府参考人の出席を求めることを決定した。
社会保障に関する日本国とインド共和国との
間の協定の締結について承認を求めるの件
(閣条第6号)(衆議院送付)
社会保障に関する日本国とハンガリーとの間
の協定の締結について承認を求めるの件(閣
条第7号)(衆議院送付)
障害者の権利に関する条約の締結について承
認を求めるの件(閣条第8号)(衆議院送付)
以上3件について小野寺防衛大臣、岸田外務
大臣、岸外務副大臣、愛知財務副大臣、野上
国土交通副大臣、牧野外務大臣政務官、伊藤
総務大臣政務官、上野文部科学大臣政務官、
福岡内閣府大臣政務官及び政府参考人に対し
質疑を行った後、いずれも承認すべきものと
議決した。
〔質疑者〕
島尻安伊子君(自民)、宇都隆史君(自民)、
福山哲郎君(民主)、神本美恵子君(民主)、
河野義博君(公明)、中西健治君(みん)、
田村智子君(共産)、儀間光男君(維新)
(閣条第6号)
賛成会派 自民、民主、公明、みん、共産、
維新
反対会派なし
(閣条第7号)
賛成会派 自民、民主、公明、みん、共産、
維新
反対会派なし
(閣条第8号)
賛成会派 自民、民主、公明、みん、共産、
維新
反対会派なし
○平成25年12月6日(金)(第11回)
請願第636号外3件は、採択すべきものにし
て、内閣に送付するを要するものと審査決定
し、第138号外73件を審査した。
外交、防衛等に関する調査の継続調査要求書
を提出することを決定した。
閉会中における委員派遣については委員長に
一任することに決定した。
活動報告

2014-02-12
第185回臨時国会 法案審議についてのご報告