ついで宮古市を訪れました。 岩手県内の瓦礫は総量で530万トンあるそうですが、宮古市はそのうち85万トンの瓦礫が残っています。宮古市だけでは処理が追いつかない状況で、今ようやく6割を撤去し、仮置き場に移すことができたそうです。県有地や私有地だけでは仮置き場が足りなくなったため、ここでも民有地を借り上げなければならないという話が出ました。 瓦礫処理では100%分別処理を行ったうえ、最終処分場で処理をしなければなりません。処理については、岩手県内の各市町は県に委託したり、自分で処理をしたりと、処理の仕方がそれぞれ異なっていて、今県が実態調査をしているとのことです。宮古市では県に委託をしているそうで、それによって処理が早くなったのか遅くなったのか判断できないけれども、しかしそのおかげで盛岡市内から重機が早く到着するというメリットはあり、いま懸命の作業を続けているとのことでした。 ただ処理をするにあたって、市内業者に仕事をさせてあげたいという思いから、市外からの業者応援を呼ばずに処理しようとすると処理スピードが遅くなってしまうと言うジレンマもお聞きしました。このことは地域経済を重視する姿勢がうかがえる一つの情報でもありました。 とにかく瓦礫処理を着実に日々進めていかなければなりませんが、予算がついてきていません。このため、臨時のやり方として道路災害予算を瓦礫処理予算にまわすという「予算を泳がす」という手法でやりくりしていると聞きました。やむを得ない措置とはいえ、事務の流れがスムーズにいっているとは思えません。 その瓦礫処理についての説明で、補助要綱がまだ届いていないという話を聞き、いささか驚きました。環境省は当然のことながら補助要綱を、岩手県を通じて各市町に説明の上配布しているはずです。恐らく、何らかの間違いではないかと感じました。 宮古市田老地区では世界一と言われた防潮堤から街を見下ろしましたが、瓦礫も撤去された町並みは真っ平らの更地で、どんな風景があったのかうかがい知ることさえ出来ませんでした。ギネスブックにも掲載され、世界中が見に来たという防潮堤も一部は崩れ落ち、あらためて津波の破壊力を思い知らされました。 大自然の猛威を完璧に防ぐことは出来ません。それならばいかに被害を少なくするか、そこがポイントになってくると思います。 *フォトギャラリーに写真をアップしました
活動報告

2011-07-21
岩手視察 2