文化伝統創造調査会は12日、高橋信一郎・祭屋台等製作修理技術者会副会長、田中敬二・全国社寺等屋根工事技術保存会会長、岡興造・国宝修理装師連盟代表理事、加藤章男・同連盟監事から意見を聞いた。 全国山・鉾・屋台保存連合専務理事も務める高橋氏は、「山・鉾・屋台の修理は修理記録を見ながら行っているのが実情で、文化財としての価値を保てる状況とはいいきれない」と述べた。また、修理に必要となる高品質な材料を円滑に入手できるようなシステムの構築を図りたいとの見解を示した。 田中氏は技術者の後継者不足問題について、「技術者育成のための研修に重点を置き、若い技術者を定着させることが必要」と訴えた。 後継者不足問題について岡氏からは、「技術を保護していく仕組みと文化財修理事業を増加させ、技術者が造りだす手作りの材料が利用される機会を増やすことが必要」と訴えた。 同調査会は日本の伝統文化の継承・保護強化のための総合的な政策立案に向け、集中的に審議を行っている。次回は中間報告とりまとめにむけた議論を行う方針。
活動報告

2007-04-12
伝統文化の継承と技術の伝承についてヒアリング 文化伝統創造調査会