文化伝統創造調査会は1日、全国伝統的建造物群保存地区協議会会長の野村興兒・萩市長、全日本仏教会の寺尾英智・身延山大学仏教学部教授、神社本庁の瀬尾芳也・教学研究部調査課長の3氏から意見を聞いた。 野村氏は農村崩壊などにより伝統的な和風建物が減っている現状を説明し、「どのようにして守っていくか、活用していくかが課題。伝統的建造物は手当てをしなければすぐに崩壊してしまう状況にある」と指摘した。 寺尾氏は「修理保存の際に必要となる技能者や材料の確保について積極的な方策が必要」と訴えた。 瀬尾氏は都道府県・市町村指定文化財の修理事例を挙げたうえで、「神社仏閣の修理は、県や市の補助が出ても費用が足りず、募金活動に苦労する場合が多い」と述べた。また「政教分離が文化財保護に関わらない風潮を生み出している」との認識を示した。 同調査会は日本の伝統文化の継承・保護を強化するための総合的な政策立案を図ることを目的に、集中的に審議を行っている。
活動報告

2007-03-01
伝統的建造物の保存修理についてヒアリング 文化伝統創造調査会