社会保障制度調査会に設置されている医療委員会は28日、都内で脳出血の妊婦が8つの病院に受け入れを断られ死亡した問題を受け、急きょ会議を開き、救急医療の現状と課題について議論した。会議の冒頭、鴨下一郎委員長は「安心、安全にお産ができる体制の整備を進めてきたが、今度は東京で複数の病院で受け入れを断られ、不幸な経過をたどったケースが起こってしまった」と述べ、今後このような問題が二度と起きないよう同委員会で議論し、具体的な政策に反映させていく考えを示した。最初に受け入れを断った都立墨東病院が救急医療の必要な妊婦を受け入れる「総合周産期母子医療センター」でありながら、当直医が1人だけだったことに関し、出席した議員からは「救急医療体制の整備のためにはもっと税金を投入すべきだ」「医学部の定員を増やすだけではだめで、勤務医を増やす対策が必要だ」など医師不足を解消し、救急医療体制を強化すべきとの意見が相次いだ。また、「どんな状況でも救急車で来た患者は必ずどこかが受け入れるのが基本だ。医師には応召義務がある。患者の受け入れを命令できるシステムづくりが必要だ」などの指摘もあった。同委員会では今後、救急医療の問題や医師不足などに対し積極的に取り組み、安心できる医療制度の構築を目指していく。
活動報告

2008-10-28
救急医療の現状と課題について議論 医療委員会