166- 参-国土交通委員会-3号 平成19年03月20日 ○末松信介君 おはようございます。自民党の末松信介です。早速質問に入ります。 最初の質問は、低価格入札、いわゆる低入札問題であります。 当局の皆さん方はもう我々よりもはるかに詳しい実態を把握なさっていると思うんですけれども、この低入札、低価格での落札というのは、発注者側にとりましては確かに経費の節減につながるということで評価できるんですけれども、しかし、事業者がむやみやたらコストを削減しようとするため、例えば資材の非常に品質の余り良くないものを使ったりするということで品質管理の問題も出てきておりますし、同時に、当然安く落としたわけでありますから、下請業者に対しては非常に厳しい指導をするという、ひいては下請業者が大変厳しい労働環境に置かれてしまうといったような様々な問題を引き起こしているわけなんですけれども。 そこで、この予定価格に対する落札額の割合を示す落札率ですけれども、これ国土交通省からいただきました資料なんですが、毎月の平均落札率は二〇〇五年、平成十七年度はおおむね九三%で大体推移をしてきたんですけれども、二〇〇六年、十八年の十月末ごろ、大体九〇%を落札率は切っておると、まあ正確には八八%ぐらいになっているという資料をちょうだいをいたしております。 この低価格入札の背景には、いろいろと原因があると思うんですけれども、一つは公共事業が大きく後退をしたと。〇五年度、平成十七年度の公共事業予算は約七・六兆円です、まあ皆さんも頭の中に入っていると思うんですけれども。九八年度は約十四兆円ということで、半分の水準になってしまっているということも一つあります。それともう一つは、ここ数年で、国もそうですけれども、また地方もそうなんですが、公共団体、指名競争入札から一般競争入札へ拡大をしているということも一つの背景にあろうかと思います。特に、公共工事への依存度が地方の中小事業者は強いわけでありまして、赤字覚悟でも仕事を取りたい、落札をしたいという、そういう行動を取られる方が大変多いという状況が続いております。 政府では、昨年十二月八日、緊急公共工事品質確保対策を打ち出されました。自民党の政策審議会にも、冬柴大臣また渡辺副大臣等々もお見えいただきまして、いろんな意見もちょうだいをいたしました。それで、総合評価落札方式で技術提案加算点のウエートを大きくすると同時に、新たに施工体制評価点を設けるとともに調査基準価格の下に特別重点調査を行うという、そういうことが設定されたわけなんです。特に総合評価方式は、何だかんだということで技術を評価するといっても、実際、価格がやっぱり八割ぐらい占めていたということは確かでありまして、それを何とか五〇%ぐらいには持っていくということを冬柴大臣もあのときお話をなさっておられたことをよく覚えておりまして、大変評価できると思うんですけれども。 そこで、本年一月より採用されております特別重点調査というのは、これは自治体が実施している資格判定基準のようなものでありますが、低入札の排除へ大きな効果が期待されているわけなんですけれども、実際その効果が上がっているのかどうか、改善されてきているのかどうかということにつきまして所見を伺います。 ○政府参考人(佐藤直良君) 委員御指摘のとおり、公共工事において極端な低価格による受注が行われた場合、工事の品質確保への支障、下請へのしわ寄せ、あるいは労働条件の悪化、安全対策の不徹底など弊害が懸念されることから、先生おっしゃられたように、国土交通省では、昨年十二月八日に緊急公共工事品質確保対策を取りまとめさせていただきました。 このうち、特別重点調査制度は、工事が適正に履行されるかを調査する、それまでの低入札価格調査、この中で、極端な低価格入札を行った参加者に対して、工事の品質確保が確実に実行されることについて具体的な資料をちょうだいして説明を求めると。そして、工事の品質確保がなされないと発注者が判断した場合には契約の相手方としないと、このようにした制度でございます。 この制度を含めた緊急対策の効果について、その対策の実施前と実施後の状況を、私どもの直轄工事、八地方整備局における特別重点調査の対象、これが二億円以上の工事を対象にさせていただいておりますが、その工事での低入札調査の実施状況、これについて比較をさせていただきました。 対策前、昨年の十一月、これは低入札がピークであったころでございます。このころ、入札案件に対して約四〇%が低入札調査を実施した案件でございます。これに対して対策後、一、二月の合計、これは速報値で恐縮でございますが、約一六%と、去年の十一月が四〇%低入札の実施率でございましたのが、一、二月の合計では一六%と低下しております。特別重点調査を含めた施策の効果が一定程度発現しつつあると理解しております。 私どもとしては、今後とも低価格による入札の状況の推移を注視しまして、特別重点調査や施工体制確認型総合評価方式などの緊急公共工事品質確保対策の効果を検証していくとともに、これらをしっかりと運用し、公共工事の品質確保に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。 ○末松信介君 まあ一応の成果を得られつつあるということのお話かと思いますんですけれども、確かに、今私もちょっと調べてみて、まあ効果が上がりつつあるということは確かなんですけれども、実際、低入札でもって契約が無効になったということは余り聞きませんですよね、これは。いろんなことを聞いたら、近隣で工事をやっていてそういった職員もいるとか、資材もこっちが運びやすいとか、いろんな理屈を言われてここはクリアなっていくということが実態なわけなんですよね。 私はただ、今おっしゃったように、会計法第二十九条六の一項に、原則としては最低価格の方が契約相手方になると。しかしながら、この会計法二十九条六の第一項のただし書にはこういうことがありますよね。つまり、契約内容の履行ができないおそれがあるときは次順位の方と契約をできるということになっておるわけなんですけれども、しかし、なかなか実際落札してからは現実契約が無効になったというケースもないと。今、低いところでは落札率五〇から六〇の間で取っているというところあるんですよね、これは。我々、こういう中では本当に工事ができるのかどうかと。国交省の資料を見ましても、落札率の低いところの工事ほど品質が結果的には良くないというデータももらっておるわけですからね。私は、その辺をどういうように今後更に厳しく調査していくかということに懸かってくると、そのように思っているわけなんですけれども。 それで、次に伺いたいのは、地方の自治体が発注者となる事業では総合評価方式の採用率が非常に低いわけです。低入札対策の遅れが目立っているという話を聞いております。地方での低入札の増加は非常に深刻な状況であるわけなんですけれども、国交省では、簡易型総合評価入札方式を編み出すなど、市町村に導入しやすい方式などの研究がなされているということを伺っております。 国交省としては、今後、この地方の取組の遅れというものをどのようにしてこれを改善していくのかということ、その方策を伺いたいと思います。 ○政府参考人(宿利正史君) お答え申し上げます。 今、末松委員御指摘のように、建設投資、特に公共投資の急速な減少などによりまして、建設業の市場環境は大変厳しい状況にありますし、また一方で、一般競争入札の拡大などの入札契約制度の改革の中で価格競争が激化しているということもありまして、御指摘のとおり、地方の低入札価格調査制度の対象となる案件、件数が増加しておる状況にあります。国土交通省におきましては、地方公共団体の発注におきまして、低入札価格調査制度、最低制限価格制度、この両制度を適切に導入、活用することによって、いわゆるダンピング受注の排除を徹底することが重要であると、このように考えております。 このため、私どもは、昨年の十二月に、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づきまして、総務省と連名で、各地方公共団体に対しまして、低入札価格調査制度の運用に当たって、具体的な判断基準の設定に努め、当該基準を満たさない入札を失格とするなど厳格な運用を図ることといった要請を行ったところでありまして、このような低価格調査制度、最低制限価格制度を適切に導入、活用していただきたいと考えておるところであります。 また、公共工事の品質確保を図るという観点からは総合評価方式の導入、拡大が重要でありますけれども、残念ながら、小規模の地方公共団体におきましてはまだこの総合評価方式の普及が進んでいないというのが現状であります。このようなことから、私どもとしては、施工実績であるとか工事成績、あるいはその事業者の地域における貢献などを重視する、より簡易な総合評価方式の活用を図るためのマニュアルの策定を今進めているところでありまして、これを速やかに地方公共団体に周知を図りましてその導入を図ってまいりたいと、このようなことを通じて低価格を排除してまいりたいと考えております。 ○末松信介君 いろいろと簡易マニュアルをお作りいただいたりとかいうことで、改善策を講じておられるわけなんですけれども、要するに、私は、この低入札を解決できる立場というのはだれかといったら、これ発注者側、当局なんですよね。なぜかといったら、適正価格であるかどうかという価格を一番知っているのは発注者側なわけなんですよ。だから、それを適正価格で取ってもらう、品質に問題ないようなものを取ってもらうということをできる、それをできるというのは、私はもうだれよりも発注者側、当局にあるということ、それを常々思っております。 低入札は、もう当然のことですけれども、結局、建設業界そのものの体力を奪ってしまうという、体質をやめてしまうということなんですよ。健全な会社までも、建設会社までも悪影響を与えてしまうという、そういう状況にあります。コスト削減につながるという見方もあるんですけれども。しかし、私はあえて、いいものをつくっていけば、安けりゃええというこの発想というものはどこかでやっぱり限界があるわけですから、きちっと天下に向かって、国家に向かって、国民に向かって申し上げていっても僕はいいと思っていますよ、それは。この辺りのことを十分お考えを、御検討をいただきたいと。とにかく、今の状況、まだ推移しておけば、積算とか公共事業への執行体制への信頼感というのはやっぱり薄れてしまうと思うんですよね。 くどくなりますけれども、先ほど審議官お話がありましたけれども、平成十八年十月末でこの総合評価方式、これはまあいろいろとやり方はありますよね、形が。高度技術提案型がこれ一件ですよね。標準型が四百二十件、簡易型が三千七百三十二件、計四千四百二件ということで、九割はやっぱり簡易型でやっているということであります。 もう一つは、技術が一番、一位ですよね、から価格も一位というのはこの中で千五百四十一件あったそうなんです。一番ここを注目せないかぬのは、価格は二番目であったけれども、しかし技術点によって価格差を逆転したという例が四百五件出てきているということ、そこには確かに改善してきているという努力がうかがえるわけなんですけれども。 私は、何度も申し上げますように、この低入札の問題を解決する決め手は発注者側ですよ。これを精一杯お考えをいただきまして、あらゆる策を講じていただきたいと、つくってしまう社会資本、立派なものにしていただきたいと、そのことをお願い申し上げたいと思います。 それと、この応札事業者のコスト削減について質問を昨日しようと思っておりましたんですけれども、国交省は実は、このBQ方式につきましては、我々きちっとやっているんです、今進めているんですというお答えが返ってまいりました、事前通告をいたしましたら。私、建設会社の方に、一般競争入札でどんどん皆さん参加されますけれども、実際、図面とか図書を預かりまして、その箇所箇所を結局拾い上げて、そこを積算していきますから、もう一般競争入札に参加するだけで、小さな物件でも五十万、六十万要ると、ちょっとしたものやったら二百万、三百万円のお金が掛かってしまって結局取れないと、経費ばっかりかさんでいって一般競争入札の意味がなくなってしまうということを聞かされていたんですけれども。しかし、最近の発注にとりましてはかなり丁寧な図書をお渡しになっているということでございまして、もう少しこの辺り勉強して質問さしていただきたいと思うんですけれども、審議官の部署の方からそういうお話が返ってきましたので、この質問は今日のところは取り下げさせていただきたいと思います。 イギリスなんかはとにかく、取ったところが取れなかった方々の積算した費用というものを払ってあげるということになってきて、それが発展して結局発注者側がその費用を払うということになったというように伺っております。そういった歴史的な経緯があるということを伺っているわけなんですが。 その次、質問をさしていただきたいのは、被災者生活再建支援法の拡充についてでございます。 私は冬柴大臣と同じ兵庫県出身でありますから、阪神・淡路大震災というのを経験をいたしました。あれから半年もたたないうちに、私、県議会におりましたんで、兵庫県議会が一丸となって四十六都道府県議会を回りまして、何らかの生活再建とか住宅再建とかいったような共同制度をつくらないと駄目だということを言いました。約二年掛かって四十六都道府県議会は何らかの意見書なりを提出するなり、あるいは決議をするなりをしていただいたわけなんです。私は担当で和歌山県議会に行ったんですけれども、和歌山も対応いただいたと。もちろんこれは南海大地震もあるということで、和歌山の方々も非常に注目して聞いていただいたわけなんです。で、被災者生活再建支援法ができたと。 実は、平成十六年、この被災者生活再建支援法を一時改正したときに、附帯決議として、居住安定支援制度の充実を図るため、施行後四年をめどに制度の見直しを行うなどの総合的な検討を行うということになっております。間もなく三年を経過するため、先日、第一回の検討会が開催されました。内容もちょっと拝見をいたしたわけなんです。今後、議論が深まっていくと思います。 かねてより、被災者生活再建支援法につきましては、その拡充、被災者のニーズに即した実効性の高いものへ改善していくべきだという意見が大変強かったわけであります。現行の制度ではカバーできない部分が余りにも多い点がございます。さきの中越地震でも、そのすき間を埋めるために、新潟県が独自施策として県中越大震災復興基金を創設してその対応がなされたわけなんです。 兵庫県でも実は、もう三年前になりますけれども、二〇〇四年の台風二十三号の被害で、被災者生活再建支援法の支援金、これは最高三百万円ですけれども、これにつきまして、年齢や収入などの制限で支給対象外となった世帯が実は多いんです。県内の全壊、大規模半壊の計二千六百四十一世帯に対して実際に支給されたのは、本年一月時点で一千百八十六世帯、七億八百九十二万五千八百四十四円なんです。七億八百九十二万五千八百四十四円ということなんです。残りの千三百二十七世帯はどうかといったら、県独自の制度でもって十億七千二百万五千五百七十九円を支給されているという現状なんです。 これは結局、全員に当たらないというのは、いろいろな制約があるわけなんですよね。特に大きなネックとなっているのが、これはもう公的な援助は個人資産に充当できないということでありまして、これはもう弁護士の大臣というのは一番詳しいと思うんですけれども、こういうことになっていると。住宅の再建、修繕、宅地復旧への直接的な補助はこれ認めておりませんけれども、利子補給であるとかローンとかいったものについて、これにつきましてのみ認めておられると。実際、高齢者の方なんかはローンが組めない状況なんですよね。被災者は住宅の再建を実際あきらめてしまうしかないという実態がございます。政府の見解では、私有財産の下では、個人資産は公費で補助すべきでないとされておりますんですけれども、しかし現実に、この耐震改修補助などの個人資産の形成につながるものも少なくないわけなんですけれども、建築費本体への助成について再検討していく御用意があるのかどうかということにつきまして伺います。 ○政府参考人(増田優一君) お答えを申し上げます。 今先生からお話ありましたように、この被災者生活再建支援制度をめぐりましては、平成十六年の一部改正の際に大議論がございました。お話しのように、居住安定支援制度をこの改正で導入したわけでございますけれども、様々な議論を経て、結果的には住宅本体には投入しないと、住宅管理経費のみを二百万円限度と、家財道具合わせまして最高額三百万の制度として十六年改正で施行さしていただいたわけでございます。 様々な議論がございまして、この委員会でも附帯決議をいただきまして、施行後四年を目途として制度の総合的な検討を行うんだということで附帯決議いただいておりまして、そういうことを受けまして、ちょうど三年を経過したものですから、先ごろ私ども、学識経験者でありますとか自治体の関係者を入れた検討会を発足をさしていただいたわけでございます。 この制度につきましては、被災者の方々、それから被災された公共団体の皆さん、さらには各界各層の方々からも様々な意見がございますし、第一回の検討会におきましても様々な面からの御意見が披露されました。先生御指摘のように、住宅本体の建設補修にも当然入れるべきだという御意見も多数ございましたし、また一方では、この制度そのものの、先生からも御指摘ありましたけれども、典型的な個人資産である住宅の再建はやはり自助努力が基本ではないかと。他に融資でありますとか保険という制度もあるわけですから、そういった生活再建、住宅再建全体としての中でやはり慎重に検討すべきじゃないかといった御意見でありますとか、あるいはまた、本体かどうかというような議論を超えて、今の制度そのものが非常に、支給要件でありますとか支給手続が煩雑になっておりまして、なかなか被災者の皆様が使い勝手が悪いと。事実、制度を御存じない方もいらっしゃる、あるいは知っていてもなかなか手間があって申請されない方も多数いらっしゃるということを踏まえまして、むしろそういった講学的な御議論よりももっともっと使いやすい制度にしてほしいという御意見もございました。 そういったことを踏まえまして、いずれにしても検討会スタートしたばかりでございますので、これからこの検討会の場でしっかりと御議論をしていただきたいというふうに考えております。 ○末松信介君 おっしゃる意味よく分かるんですよ。使い勝手が悪いということ、それと制度を知らないということ。我々も実際、この国土交通関係の助成とか、あるいは災害援護資金貸付金とか、弔慰法に基づくいろんな施策と、これは厚労省関係ですよね、一体こういう震災があったときにどういう施策があるかということについてつぶさに言えと言われたら、ちゅうちょするときあるんですよ、それほど難しいと。しかも、年齢とか年収とかいろんな要件が重なっておりますので。私は、もうその辺のことについてこの検討会でどういう話が進められるかということを大変期待しているわけなんですよね。 確かに、住宅本体へ補助ができるようなものを対象にしてほしいということを言っているわけなんですけれども、それは一つは、これはやっぱり社会資本ですよ、やっぱり住宅ということについては。これはもうここの議論とはちょっと重ならないのかもしれませんけれども、住宅倒れちゃったら結局、仮設住宅造らなきゃならないという、もちろん耐震の話と重なってきますけれども。そうしたら、それだけで大きなまた税金を投下せなきゃならぬということですから、住宅はやっぱりあくまで社会資本であるという私は位置付けをしております。 公費の助成ができないということを言っていますけれども、実際はじゃ住宅ローン減税で、これ所得税ですね、これ所得税の住宅取得控除というのもやっていますし、それと農業用の災害復旧補助につきましてもそうですし、あるいは耐震改修のさっきの補助もそうですし、支援法による家具とか調度品の購入なんかにつきましては、補助につきましては、これはもう個人の資産の形成に税金を使っているということは確かなんですよ。だから、一度これ全部整理をせなきゃならぬと思うんですよ、どこかの時点で。これ、本当に分かりにくい話なんですよね。 兵庫県の言い分、国の言い分等も見ましたんですけれども、これはもうどちらの言い分も何か正しいように書かれておられるということなんで、是非ともその辺のことにつきまして一度整理をきちっとして、双方がきちっとした理解ができるような方向へ持っていっていただきたいということ、このことを是非要望申し上げたいと思います。 時間をオーバーしたら承知せぬぞえと脇先生から言われてますんで、はい、ありました。じゃ、先にちょっと道路特定財源の方を聞いておきます。済みません、急に局長の方へという。実は、ちょっと河川の方は後ほどになるかもしれません。 まあ、もう単純にちょっとお聞きをしたいと思うんですけれども、昨年の十二月の八日、自民党、各党もそうでしょうけれども、自民党の政調会でも道路特定財源の見直しについては、もうかんかんがくがく、いろんな議論がございました。道路特定財源の見直しにつきましての具体策を閣議決定しまして、四項目の見直し策をこれまとめておられます。これはもう皆さんも承知のとおり、国民の理解であるとか道路歳出で余った部分については一般財源化するとかいったような、いろんなことを決めておられるわけなんですけれども、その中に、国民の要望の強い高速道路料金の引下げなどによる既存高速ネットワークの効率的活用、機能強化のための新たな措置を講ずることとして、二十年の通常国会に所要の法案を提出されるということになっております。これを受ける形で平成十九年度の道路局の予算において、引下げに伴う効果と影響を把握する社会実験を実施するために三百六十億もの国費が計上されておりますが、その社会実験というものは一体どういうものを想定されているのかということを伺いたいんです。 で、あっ、まだです。これについては、恐らく十九年度の予算が可決されてから個別のことはいろんなお話なさると思うんですけれども、現段階のお話を聞きたいということと、もう一つは、高速道路料金の引下げのための財源はどこから調達するかということについて、どういう方向でこれを調達するのかということにつきましての検討のほど、所見を伺いたいと思います。 ○政府参考人(宮田年耕君) 委員御指摘のように、昨年の十二月八日、具体策がまとまりました。そこの中で、国民の要望の強い高速道路の料金値下げ、二十年の通常国会に向けて法案を提出するようにということが決められております。そういうものを具体的に決めるためには、値下げをした場合のいろんな影響、そういうものを把握してセットする必要がございます。そのために三百六十億円の予算が社会実験として十九年度計上されておるわけでございます。 まだ委員御指摘のようにコンクリートにその内容が固まっておるわけではありませんが、今考えております内容を御説明申し上げますと、一つは、大都市圏の高速ネットワークを有効活用するための割引導入、そういうことが一つ目でございます。二つ目は、地方部の国道が込んでいて並行する高速道路がすいているというような場合、想定されます。そういう高速道路を有効活用して現道の課題、そういうものを解消していくための料金の引下げ。それから三つ目は、物流の効率化を促進するための割引導入。 今こういう三つの枠組みで検討を進めておりますが、私ども、社会資本整備審議会道路分科会で具体化に当たっては御議論をいただこうと思っております。今そういう分科会が開かれておりますので、そこの御審議をいただいて、それをもって実際の料金割引実験、そういうものをやってまいりたいと考えております。 ○末松信介君 精力的にその検討を加えていただきたいと思います。社会資本整備審議会ですね、ここでの答申を待っておられるということなんですけれども。 それで、今局長がおっしゃられた三つの目的があるということをおっしゃいました。最初に大都市圏の交通ネットワークということの話が出たわけなんですけれども、いろいろと道路のことについては、余り地元のことばっかり言っちゃいかぬわけなんですけれども、しかしながら、やはりもう地元の発想から全体はどうかというとらえ方しなきゃならぬということで、当然この前の視察に行ったとき大江委員長も、もうさんざん和歌山県の道路を拝見しまして、いやもうかなり詳しくなりましたですね。山下先生からも恵那山トンネルの話も聞いて、ここも一つ賢くなったということでありますし、谷合先生からは、この前の本四の瀬戸大橋の料金の話も聞いたということなんです。 私は実は、それこそ赤羽先生なんかもこの問題をよく取り上げられたことは大臣も御存じのとおりなんですけれども、実は、去年の三月の二十四日ですかね、予算委員会でいろいろと質問していた中で、最後に新神戸トンネル、この図面をちょっと委員の先生方にお配りしていますのですけれども、この問題について実は質問をさせていただいたわけでございます。 実は、知っている先生はよく御存じだと、知らない方は全然知らないということで、図面をごらんいただきたいと思うんですけれども。 要するに、姫路とか加古川というところがある、これは御存じだと思うんですけれども。これを、例えば東を向いてあの道路をずっと進んでいったら、須磨料金所で第二神明道路、二百円払うと。と同時に、阪神高速神戸線は、これは均一料金で五百円払うから、七百円払うわけなんです。ところが、ここはよく渋滞をするんですね、この阪神高速神戸線というのは。実は、その第二神明の途中から北神戸線、阪神高速北神戸線という道路がありまして、そして、この箕谷インターでいったん降りて乗り換えるわけなんです。乗り換えるときに使う道路が阪神高速だったらいいんですけれども、神戸市道路公社の経営する新神戸トンネルということなんです。 だから、渋滞を緩和しようと思ってこれを、北神戸線と新神戸トンネルを使ったら千百円、しかし、真っすぐ行ったら七百円なんですよね、真っすぐ行ったら。だから、渋滞をしているから避けようと思って使いたいんですけれども、これはやっぱり余分に四百円掛かってしまうから、渋滞している道路へ更に車が突っ込んでいくという状態になってしまって、新神戸トンネルは、それはすうすうにいつでも通れると。だから、社会資本というものが有効に活用されていないという、これがまず発想の原点にございます。 この質問をいたしまして、何とかこの新神戸トンネルというものを、神戸市道路公社が持っているんですけれども、阪神高速道路株式会社のネットワークの中に入れてほしいという、移管してほしいというこの要望を出しておりまして、冬柴大臣や宮田局長は一番詳しくこの話は知っておられるわけなんですよね。 去年の谷口当時道路局長のお答えというのは、委員お尋ねの新神戸トンネル有料道路の阪神高速道路株式会社への移管につきましては、神戸市、阪神高速道路株式会社及び近畿地建等において、新神戸トンネル有料道路、阪神高速道路とのネットワーク化に関する検討会を設置して、その可能性を探るべく種々の検討を行っているところでございますということでありまして、おおよそ社会資本につきましては、これは有効に活用しなきゃいかぬということもおっしゃっておられますし、利用しやすい料金体系の実現が重要な問題であるということも聞いています。ただし、返済の、今回の民営化の主要な趣旨が四十五年以内の確実な償還であることを考えてみれば、これは独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構及び阪神高速道路株式会社の償還、経営に、償還とか経営に悪影響を与えないことが原則であるということを言っておられるわけなんです。 あれからちょうど一年たったんですよ、一年たったんです。当然、この一年に大きくあった変化というのは、道路特定財源の問題なんですよね。これについての使い道というのは軽々に我々がどうこうということを言えませんし、大臣でも非常に慎重にお答えになっておられます。住民の方々の要望というのは、もう引き続きこの一年も変わることがありません。 私も、実際、利用者なんですよね。だから、急いでいるときはもう絶対にこの千百円、五百円と六百円、千百円使って神戸へ行っているわけなんですけれども、本当にこれ、何とかネットワークの中に入れてもらえないだろうかということを思うわけなんです。 もう実際、神戸市の持っている、道路公社の持っている新神戸トンネルは、もう阪神高速道路と一体的に機能しているわけなんですよね。この事実というのが実際あるわけですよ。いろいろと覚書のお話も伺ってはおります。 このネットワークの検討会につきましては、十二回開かれたということを聞いているわけです。兵庫県、神戸市、近畿地建に阪神高速と一緒になって、とにかくいい結論を出そうということで頑張ってこられておるわけなんですけれども、今回、新たなスキームをつくって、神戸市としても移管が実現してもらえるように精一杯、三百八十億円程度負担をするということで、残る三百八十億円を阪神高速の投資限度額と合わせて、あとは国の積極的な対応を求めたいということで御要望なさっておられます。 もう隠す話でもありませんし、みんなこの要望、地元の方々、我々は受けておりますので、是非、このことにつきまして、社会資本の有効活用という点が一つと、阪神高速神戸線の渋滞を少しでも緩和してほしいということと、それと、先ほど宮田局長がおっしゃった大都市圏の交通ネットワーク、正にこの道路のネットワークというものをより強固なものにしてほしいという点で、是非、この移管のことについて前を向いた御発言をお願い申し上げたいと思うんですけれども、御見解をお伺いをいたします。 ○政府参考人(宮田年耕君) 先ほど、答弁漏れがございまして済みません。財源の、高速道路料金の引下げの財源はどうするのかという御質問に答えておりませんでした。 具体策に基づきまして、当然、主体であります高速道路株式会社あるいは出資団体でもあります地方公共団体、そういうところと御相談し、協力を得る、そういうことも前提にございますが、道路特定財源を活用してそういうことを考えていくということだろうと思います。 新神戸トンネルでございますが、もう委員御指摘のように、新神戸トンネルが独立した道路ではなくて、阪神高速、それから西日本高速道路株式会社が管理されている道路、それから公社が活用されている道路、そういうものが一体でこの地域のネットワーク、高速ネットワークを形成しております。 そういう中で、お触れになりました検討会、神戸市、兵庫県、それから阪神高速株式会社、近畿地方整備局、これは平成十七年の五月からやっておりまして、利用しやすい料金体系どうあるべきかという検討がなされておるわけでありますが、これに併せて、料金の引下げによる交通量やあるいは料金収入に与える影響、そういうものも調査をする必要があるだろうと考えております。先ほど申し上げました社会実験の中でどう取り組むかはまだ決めておりませんが、そういうことも必要だろうと思っております。 いずれにしましても、高速道路料金、国民が非常に要望が強いということで、既存高速ネットワークの効率的活用、機能強化のために新たな措置を講ずるということが具体策にも書かれておりますので、こういう基本線に沿って全体どうやっていくか、考えていきたいと思います。その中で、移管でありますとかあるいは料金どうあるべきか、検討してまいりたいと考えております。 ○末松信介君 答弁漏れのことは、決して忘れていたわけじゃなくて、局長に大変気を遣って見逃したわけなんですけれども、今ちょっと話を聞きました。 とにかく、個別の、自分のところの地元の道路のことだけということでこれを造れとかあれを造れということについては言いづらいんですけれども、これはちょっとイレギュラーなケースでございます。 ですから本当に、長年にわたって、これはもう十年近い悲願の話でございまして、冬柴大臣なんかは、もう神戸市の矢田さんとも非常に親しいので、いろんなお話を聞いておられると思いますので、とにかく、これは一つのいい契機だと思うんです。道路特定財源の一般財源見直しについては、これはもういろんな意見がありましたけれども、しかし、一つの契機としてとらえて、この問題の解決に当たっていただきたいということを強く要望いたしたいと思います。よろしくどうぞお願い申し上げます、この点につきまして。ありがとうございます。 続きまして、もうほとんど時間がなくなりつつございます。榊局長来られていますので、耐震改修促進につきましてちょっとお伺いをしたいと思います。 東海とか南海地震の発生が大変心配されているわけです。大江委員長の御地元も南海地震の影響があるということで、いろんな対策を講じられておられまして、この前、一月に調査をして、勉強させていただいたんです。 実は、阪神・淡路大震災のときには六千四百三十四人の死者を出しておられます。直接死は、約五千五百人のうち倒壊家屋の下敷きになって亡くなった方が実は八割を超えたわけなんです。幾ら防災体制を整えましても、建物の耐震化を進めなければ、国民の生命、財産を守ることは不可能であります。 平成十七年秋の第百六十三回国会におきまして、建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律が成立をしました。関係省令や国土交通大臣が定める耐震改修促進基本方針とともに、翌十八年の一月二十六日に施行されております。 基本方針の要諦は、住宅及び特定建築物につきましては、耐震化を今後十年間でそれぞれ現行の七五%から九〇%に上げようとするものでありますけれども、各都道府県におきまして、この都道府県耐震改修促進計画の策定状況と全国の耐震化の進捗状況につきましてお伺いをいたします。 ○政府参考人(榊正剛君) 委員御指摘のように、住宅建築物の耐震化というのは非常に重要だというふうに考えております。 昨年一月に実は改正耐震改修促進法が施行されまして、耐震化の目標、耐震診断、耐震改修に対する助成方針などを内容とする耐震改修計画の策定が義務付けられたところでございます。現在、都道府県において策定作業を進めておるところでございますが、今年の一月末現在で十二道府県が策定済みでございますが、今年度末までには四十四都道府県で策定する予定ということで、残りの三県についても数か月、まあ二、三か月遅れで策定を完了する見込みでございます。ちなみに、兵庫県は三月の末、あと一週、二十七日辺りだと思いますが、ぐらいに予定されておるということでございます。 なお、この県の耐震改修促進計画が策定をされると、市町村についてもなるべく作ってくれと、こういうお願いをしておりまして、それについては約五割の八百七十九市町村が作りたいという意向を表明しているという状態でございます。 私ども、全国の耐震化の進捗状況ということでございますが、耐震改修促進法を改正する前の状況を調べますと、平成十五年ベースで推計をいたしますと七五%程度でございましたので、平成十七年に耐震改修促進法を改正いたしましたので、その十年後、平成二十七年までに少なくとも九割を耐震化するのだという目標を定めて行っているところでございます。 それで、実は現在、耐震診断とか耐震改修に対する市町村の補助制度の整備状況というのを見ますと、大体一戸建て、耐震診断について戸建てで六割程度、マンションですと一割程度、耐震改修というベースで見て、戸建て住宅で三割、マンションでいくと五%といったような補助制度の整備状況になっております。 実は、平成十八年度というのが、耐震改修促進法は一月施行ということでございますので、耐震改修の実質元年というのが実は平成十八年度なんです。したがって、全国的な耐震化のこの一年間の実績がまだよく分かってないんですけれども、実は平成十四年度からいろんな補助制度をつくってまいりましたので、それから十七年度までの実績をちょっと戸建てだけで申しますと、戸建ての耐震診断は十四年二万一千戸出したんですが、十七年度は九万二千戸に増えているということがございまして、戸建ての耐震改修も平成十四年度ゼロだったんですが、十七年度は約二千七百戸というふうに増加をいたしまして、着実に実際増えておりますので、十八年度についても、これをもっと加速した数字の実績が上がってくるのではないかというふうに期待をしているところでございます。 ○末松信介君 そうしたら、数字上上がっておるんですけれども、どうなんでしょうね、これ。実際的には目標にはこれ到達していくというのはどれぐらい掛かるんですかね、これは。 ○政府参考人(榊正剛君) 先ほど申し上げましたように、平成二十七年度までに九〇%にしようということを目途にしたいというふうに思っておるところでございます。 いわゆる建て替えをされますと全部新耐震になりますので、そこの部分は大丈夫だと、じゃ建て替えされないそのまま残っている住宅について耐震改修をしていただくと、こういうのが趣旨でございます。 その耐震化の改修ということなんですが、先ほど申し上げましたように、平成十八年度が耐震改修元年ということで、実績はちょっと分かっていないというところもあるんですが、実は、私どもからすれば、平成十八年度に十七年度までの補助金が二十億円を百三十億円に大幅増額したと、十九年度予算案でも百三十六億五千万というようなことでございますし、税制につきましても耐震化の税制をまた新たに創設をして始めたということでございますので、こういったようなところで増えていくだろうということを想定いたしておりますが、実は、先ほど申し上げましたように、補助制度の整備状況を見ますと、耐震診断ですら六割、耐震改修についてで戸建てで三割という状況でございます。 これをちょっと申し上げますと、いわゆるこの耐震改修促進計画で書きますと耐震診断と耐震の補助が出ると。ところが、耐震の補助はちょっと若干低いと。で、地域住宅交付金という制度があるので、地域住宅交付金を活用をした方が耐震改修の方にはちょっと効くというようなことがございまして、耐震診断の方はどちらかというと耐震改修促進法に基づくような方向で、具体の耐震自体は地域住宅交付金の活用というのが一つの流れになるようなところがございます。 ただ、そういうようなところでも先ほど申し上げたような率でございますので、マンションでいくと耐震改修について補助制度を持っているところが、市町村が五%ぐらいしかないと、こういうことになっておりますので、これについて海溝型地震は切迫しておるということでございますし、大規模地震はいつどこでもおかしくないというようなことを前任におりましたときに一生懸命言ってきた経緯もございますので、そういったような取組の強化要請をどんどんやっていきたいということと同時に、地震防災マップの整備ですとか、町内会、各種メディアを活用したような啓発及び知識の普及といったような施策の充実を求めて、地域住民と関係者一丸となりまして、この九〇%を少しでも上回るという目標の達成に着実に実現できるように努力をしてまいりたいと思っております。 ○末松信介君 しっかり、分かりました。 とにかく、耐震化を図ったら、東海地震はこれ死者の想定で九千二百人が四千四百人になると、減災効果としてとか、うち建物倒壊でも六千七百人の方が三千二百人の亡くなり方で済むというような話も聞いていますんで、とにかく積極的に実施をしていただきたいと思います。 せっかく耐震改修税制なんかでも、あれ二十万円ですよね、税額から引くということについて、固定資産税も二分の一に一定期間やるということが決まりまして、何年も掛かってあれだけ積み上げたものですから、使っていただけるような体制整えて頑張っていただきたいと思います。 最後の質問にします。 激甚災害対策特別緊急事業ということで、これ河川局になろうかと思うんですけれども、ちょっとお伺いします。 台風二十三号被害におきまして、豊岡の円山川流域の河川激甚災害対策特別緊急事業では五年間に計六百五十億円投入していただくことになっておりまして、大変感謝をいたしております。また、その減災効果に大きな期待を寄せているわけなんですけれども、しかし一点残念なことは、その下流地域の一部で実施される事業計画の中身に大きな格差を生じてしまっているということなんです。 具体的には、住宅の周囲に擁壁を設置するなどの地区がある反面、避難支援などのみが示された地区があるということです。もちろん、立地的な状況などによって一律の事業を実施する、できるはずがないことは理解しているわけなんですけれども、しかし、長年水害に苦しんでこられた下流住民の方々にとって、この事業に大きな期待を寄せていただけにその落胆は大きくて、事業の再検討を強く求められておりますので、そこでお伺いしたいのは、下流域で河床掘削など状況に応じて適切な施行がなされるとお聞きしておりますが、すべての地域で一定の基準以上の防災効果は確保されるのかどうかということを一点お聞きしたいということ。 それと、二つ目が、国土交通省が新たに堤防の建設を断念した一部の地域では、その理由の中に、関係地権者の理解を得るなど時間的に五年の制約がある激特では無理という、こういうことを実は聞いているわけなんです。ただ、激特というのは、これはとにかくスピードを求められますんで、再発をとにかく防止せないかぬということで、当然制約があって当たり前なんですけれども、ただ、この激特事業の五年間というものは災害の再発生リスクをできるだけ少なくするために、迅速に行うために今言ったようにつくられたんですけれども、五年ということの規定がかえって逆にネックになってしまっているという、そういう部分があるわけなんですけれども、これは一体どのように我々解釈していって、これ改善していっていいのかということを、考えていっていいのかということについて、最後に局長にお伺いして終わります。 ○政府参考人(門松武君) お答えいたします。 委員から、激特事業の中身でございますが、おおむね五年間で再度災害防止を図るというのがこの事業の目的でございます。 円山川の、平成十六年に台風二十三号で大変な被害を受けたわけでございますが、下流、豊岡市の下流でございますが、非常に山が迫っておりまして、そこを県道とか鉄道とか家屋が連檐しておるところがございまして、それを、先ほど委員が申されました五年間で六百五十億を超えて必要な用地を取得し、鉄道を移動し等々のことが物理的に不可能でございました。 そういうことで、取りあえず当面、河道の掘削、しゅんせつを行うことによりまして疎通能力、洪水が流れる能力を高めるということで対応をしておるところでございますが、五年という枠にこだわらずに、現在、既に十七年に地元の方々も交えまして、五年後の対策をどうしたらいいかというような協議会も立ち上げておりまして、そこでもってどうしたらいいかというのを早急に出して、激特事業とできるだけ切れ目のないような下流対策をやっていきたいと思っております。 それで、一番最初の問いでございますが、上下流での安全度、一定の安全度は確保できているのかということでございますが、特に激特の再度災害防止という観点からは下流は満足できません、されておりません。同じ規模の台風、降雨があった場合にやはり浸水いたします。ただ、水位は下がります。ということで、被害は軽減されますが、上流に比べて安全度は下がりますが、少し、五年というタームではなくて、もう少し長いタームで、一連区間として御評価していただければというふうに思います。できるだけ早く下流対策をやってまいりたいと思っています。 ○末松信介君 時間が参りましたので、これで終わります。どうぞ善処策、よろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
活動報告

2007-03-20
第166回国会 国土交通委員会 第3号