活動報告

2007-11-02
第168回国会 災害対策特別委員会 第4号

168- 参-災害対策特別委員会-4号 平成19年11月02日 ○末松信介君  自民党の末松信介です。  塚田委員から大変ポイントをついたいい質問をいただきまして、御答弁、随分分かりました。  私は、兵庫県の神戸市の垂水区の出身でありまして、隣の水岡先生と全く同郷でございます。  平成七年の一月の十六日に阪神・淡路大震災が実は起きたわけなんですけれども、そのときは年頭のあいさつを兼ねて着替えをいたしておりまして、もう既に起きておりました。どおんという大きな音がしまして、一瞬家が沈み込むような感じを受けたんですけれども、それからごおっという地鳴りがしまして、数秒後にこれはとんでもない地震が来るということはすぐ分かったわけなんです。隣の部屋におりました家内に子供を抱いてということだけ言いましたんですけれども。しかし、まあ一瞬でもやっぱり覚悟をしているのと覚悟していないとでは全然違いますね、地震が来るときは。ですから、あのとき起きておられた方、眠っておられた方、随分運命を分けたんだなと思います。  と同時に、あの時間に起きた地震というのは一体、ハード面における被害というのに対してはどうであったかということはもう一度、もう一度考えてみなきゃいけないと。昼間に起きたらどうだったろうか。私の家の近くの山陽新幹線の高架橋はやっぱり落下していましたんで、新幹線が走っていましたらこれはどこかで脱線転覆ということになっていたわけなんですけれども。まあ、いろんなことを考えさせられたわけなんですけれども。  この地震大国で、能登半島、それと中越沖地震等で亡くなられた皆様方、心から御冥福をお祈り申し上げまして、地域の復興を御期待申し上げたいと、そのように思います。  十二年前のことと今日の状況を考えながら、民主党の皆さんが提出されたこの被災者生活再建支援法改正案について質問をしたいと思うんですけれども。  阪神・淡路大震災が起こりましたとき、この被害というのは、全壊戸数が二十万戸なんです。大規模半壊が四万五千戸なんですよ。すべての半壊を入れましたら二十四万戸でございます。被害総額は十兆円であります。住宅がその中で五兆八千億円ということだったんです。ですから、仮設住宅をこれ四万八千三百戸造ったんです。実に建設費と運営費で、今日、県で調べましたら、千六百六十二億円要ったわけなんです。仮設住宅というのは二年で一応退去せにゃいけませんから、災害復興公営住宅なんかをたくさん造った、優良賃貸住宅なんか。しかし、自力で住宅を建てたいという方はやっぱり相当な数おられましたんですけれども、どうしていってこのローンを組むことができるかという悩みがあったんです。  そこで、前の兵庫県知事の貝原さんは、住宅共済保険制度、住宅再建制度、そういったものを創設しようということになりまして、できればそれを国の方で認めてもらって遡及を阪神・淡路大震災にしてほしいという希望を持っておられたんです。ですから、私たち、当時県議会におりましたので、四十六都道府県になります、私は沖縄と大阪と和歌山の県議会を回ったんですけれども、意見書を出してほしいということを要望しました。一年たって、ようやく何らかの形で四十七の都道府県議会が意見書を出されました。それを持って斎藤十朗当時参議院議長、伊藤宗一郎衆議院議長のところへ持っていったことを覚えています。  これが大きな影響になったかどうかということは分かりません。国会議員の先生方が六党の共同提案でこの被災者生活再建支援法を制定していただきました。でも、住宅本体へは行かなかったんですね。やっぱり生活支援までしか行かなかったんですよ。生活復興、住宅復興、産業復興という三つの復興を掲げたんですけれども、生活復興にとどまってしまったと。十六年度の改正でもまだ不十分だと。だから、今回は何が何でも、今、塚田委員から話があったように、これは与野党で絶対にまとめ上げなければいけない、被災者の方々のためにも絶対まとめ上げなきゃならない、これからの災害のことを考えてまとめていかなきゃならないという、そういう決意で臨んでおりますので、大きなけちを付けようという気は今日はないんです。しかしながら、ポイントで疑問なところだけはちょっとお話を聞いていきたいというふうに思っております。  まず最初にお尋ねしたいのは、これは内閣府にお聞きをしたいんですけれども、我が国の法体系では、国民の個人資産の形成のための公的資金の導入ということについて、これは投入ができないという見解が続いています。これが一つの壁ではあるんですけれども、現行法ではどのような考え方で整理されておられるかということについてお伺いします。 ○政府参考人(加藤利男君)  お答えを申し上げます。  現行制度では、支援金の対象経費は被災住宅の解体撤去費や住宅再建、補修のためのローン利子、賃貸住宅に入居する場合の家賃等に限られておりまして、委員御指摘のとおり、住宅本体の建設費や補修費はその支給対象とはされておりません。  住宅本体を対象に直接支援を行うことにつきましては、住宅は典型的な個人資産であるということから、その再建は自助努力が基本であって、保険や共済への加入、融資の活用といった分野で対応すべき性格のものであるという考え方から、税金によって直接支援することは行っていないということでございます。 ○末松信介君  おっしゃるとおりなんですよね。  だから、自分の家がつぶれてしまって、瓦れきを撤去したその敷地内に仮設住宅を造ってほしいということを言っても、これは認められないんですよね、やはり短期間といえども個人資産の形成になるということで。だから、借地を公共団体はしまして、そこへ建てた、遠いところへ建てて、結局入居せず仮設住宅を撤去したというような例が出てきたわけなんです。いろんな矛盾を我々感じたんですよね。  それで、今回その部分において、なかなかその壁が崩れませんから、与党案は随分それを工夫を講じたというか、随分考慮をしました。与党案では支援金を使途を限定しない定額の見舞金としての性格を持っております。そしてこの問題をクリアしようとしたんです。見舞金であれば従来からの法体系にもなじんで、合わせて三百万円という余り高額にならない範囲であります。それで被災者の負担を緩和して復興への希望を惹起していこうと。地域の全体の活性化にもつながるという点で公共性に対応した私は考え方だと思っているわけなんですけれども。  しかしながら、民主党案では支給対象に住宅の建築費、購入費又は補修費を明記しているわけなんですけれども、このことについて、抵触するんじゃないかと、今の現行の見解、当局の見解と。この点を一体どのように考えておられるのかお伺いしたいんです。 ○委員以外の議員(藤本祐司君)  末松先生が阪神・淡路のときから大変御苦労されていて、正に住宅本体にできるだけそういう支援ができればその地域を含めた生活の再建が少しでも早く進んでいたんだろうなというふうに多分思われているんだろうというふうに思いますが、現行法の壁と先生もおっしゃいましたとおり、今の段階での現行法では、正に住宅というのは個人財産であり、その保全も自己責任によるべきものであり、税金による支援は行うべきでないという考え方があって、それにのっとって今現行法があるんだろうということは分かりますし、そういう考え方もあるということはある程度理解もできます。  そして、末松先生がおっしゃったような、詳しくは私も、与党案こちらに提出をされておりませんのでおおよそのところしか分かりませんが、見舞金的な形で使途を限定をしないで定額でという、そういう考え方も一つあるのかなというふうには思っております。  ただ、我々といたしましては、自助努力というふうに簡単に言うんですが、本当に自助努力で全員ができるのかといえば、それはなかなか難しい方々もいらっしゃるということも多分皆さんにも御理解をいただける。地域間格差というか、あるいは所得間格差というのがある中で、それも多分御理解をいただける部分であろうかというふうに思っています。  ただ、国土庁に設置されました、平成十二年十二月のことですが、被災者の住宅再建支援の在り方に関する検討委員会で、その報告においては、住宅は単体としては個人資産ではある、ただ、大量な住宅が広域にわたって倒壊した場合には、地域社会の復興と深く結び付いているため、地域にとってはある種の公共性を有しているものと考えられるということをその検討委員会の委員長がおっしゃっておりまして、住宅再建に公共性というのを認めております。  このような公共性の下に、住宅再建に必要な費用の実質的に、まあ実際に全額負担をするわけではなくて、先ほど来お話をしてございますとおり、ローンを組む場合、ローンを組まれた方もいらっしゃるかもしれませんが、大体一割とか二割、最低二割ぐらいは頭金をというふうな話はあります。それが出せない方はもうローンすら組めないというそういう状況があるということを、現実としてはあるわけでございまして、その一部分としかならない額に対して一定の要件の下に支援金を支給するということは、御指摘のような問題を生じることはないだろうというふうに我々としては考えて、今回御提案をさせていただいております。  自然災害による被災者がその被害から回復するためには、日常生活の再建、そして、その生活の基盤たるやはり住生活、その住まいの再建を欠かすことができないということであろうかということも御理解をいただけることかなというふうに思いますし、また、単に個人のレベルの再建だけではなくて、地域社会全体というその公共性というところからも御理解をいただけるんではないかなと。  さらに、先ほど森議員が説明の中でお話をしましたが、被災者が自らの住宅を再建できませんと、その相当数がいわゆる公営住宅入居なども必要となりまして、結果的にその自治体の財政支出の増大があるという意見もあります。実際に、先ほど仮設住宅の建設にも一戸当たり三百五十万から四百万ぐらい掛かる、あるいは、新潟中越地震を例に取りますと、復興住宅は一戸当たり千五百万、トータルで五十億その自治体に重くのし掛かってくるということを考えると、できる限り住宅再建に一歩踏み出して、精神的には物すごい苦痛だと思うんですね。ですから、そこのところを解放してさしあげるということが被災者並びに地域住民への負担も軽減につながっていくというふうに考えています。  また、地方自治体では、ちょっと長くなって申し訳ございませんが、鳥取県とか新潟県とか、都道府県で住宅再建に公費を投入する制度を創設しております。また、今末松先生がおっしゃった兵庫県、多分兵庫県にも居住安定支援制度補完事業という形で公費を投入するような事業というのがあるんだろうと。末松先生は正にそこのところを熱意を持って取り組まれたということを推察できると思いますが、それを考えれば、是非その辺りの重要性については認識をしていただいて、しゃくし定規ではなく、そこの重要性を考えた上でのやはり支援というものを考えていくべきだと我々は考えておりますので、どうぞよろしくそこは御理解をいただきたいと思います。 ○末松信介君  民主党は、平成十六年度の改正案につきましては、今の現行法ですね、これには賛意を示されたわけでありまして、そういう点で、かなりちょっと一歩進め過ぎたんじゃないかなという思いを私は持っているんですよ。やっぱり一つ一つ整理をしていくという。ですから、これはまた次の新たな段階の話になってくるので、まずは今使いやすく、そしてきちっと三百万まで限度額まで消化できるということをまず考えていくことが大切かなということを思うんですけれども、ちょっと時間がなくなってきましたので、前へ進めていきたいんですけれども。  与野党の案には幾つかの違いがあるんですけれども、その代表的な例が、これは遡及適用、平成十九年一月一日以後の自然災害に適用となっているわけなんです。私は、時効というのはこれはどちらかといえば法律的な判断によっていくという、法律によると。この場合の、こういった場合の遡及というのは政治的な判断というものに掛かってくると。  私は、阪神・淡路大震災からこの十年間の間、いろんな被害で亡くなられた方がおられるわけなんですけれども、同じ遡及されるんだったら、被災者生活再建支援法の制定のきっかけとなった阪神・淡路大震災まで遡及させたらどうなんでしょうかということをまず尋ねたいんですよね。大都市直下型地震ということでこれは耐えれる制度ではないということは当然分かっているわけでありますけれども、しかし、同じやるんだったらそうしたらどうかということ、このことについての見解を伺いたいんですが。 ○委員以外の議員(藤本祐司君)  先生も御案内のとおり、先ほど平成十六年度の改正のところをお話をされましたけれども、実は、我々民主党、その後、平成十七年の一月に衆議院に法案を提出して、平成十七年の八月にも今度は参議院の方に提出をしております。今回、実は提出の四回目になるんですね。  過去三回改正案を提出してきたんですけれども、数の力によって審議すらされずに全部廃案になってきているという、そういう実態があるということは現実としてあるわけでございまして、直近で平成十七年の八月にも今回と同様の改正案を参議院に提出を、これは野党共同で提出をいたしました。その後、数々の台風なり北海道佐呂間町の竜巻なり、こういったものがあったわけなんですが、実際その平成十七年の八月に皆さん方がきちっと審議をしていただけるような状況をつくっていただいてあれば、そのときから災害というものはその中で支援をすることができるような、可能となっていたはずなんですが、それがなかったということ、これは一つやはり大きな政府の不作為の責任であるというふうに私は思っております。  確かに、この今回の法案のように、被災者の支援に関する法制度改正の際に、どこまで、どの災害までといいますか、どの期限までさかのぼるかということについてはなかなか政策的にも難しい判断があるんだろうということは理解をしておりますが、少なくとも今年成立をする法律に関しては暦年、暦の年で言うと今年の一月一日からということに関して、救済の必要性を考えるとこの一月一日はそんなに不合理なものではないのかなというふうに思います。  そして、先ほど来財政的、財政的な支援だとか財政的な問題がということになりますので、これはもうずっとさかのぼってしまいますと、逆に言うとそこのところはどうするのかということもあるわけでございまして、やはり合理性のあるところと考えると、常識的に考えて今年成立したものは今年の一月一日からということで我々は考えているということでございます。 ○末松信介君  だから、したがって政治的な判断でやるべきだということで、藤本先生は一月一日が、その年に成立したから一月一日ということなんですけれども、北海道の竜巻の佐呂間町ですか、あそこは、佐呂間町ですね、五十日前。じゃ五十日遅かったら、竜巻が来たら支援金を、この適用を受けられるということですから、竜巻を恨み、竜巻が来た時期を恨まなきゃならないということが直近の方で出てくるわけなんですよね。  私は何が申し上げたいかといったら、どうして阪神・淡路大震災の話をしたかといったら、今でも被災して住宅を撤去した空き地が甲子園球場の二十倍あるわけですよ、二十個分。ここにはまだ租税特別措置法で固定資産税なんかは減免しているわけなんですよ。いろんな税をまだ減免しているんですよ。加えて何があるかといったら、二重ローンを抱えた方が二千三十八件、これは復興基金を使ってなんですけれども、これだけの方がまだずっとお支払いしていると。  さらに、生活援護資金貸付金というのは、これは大変な制度でして、全半壊の世帯に上限三百五十万を貸し付けた制度なんですよ。原資は、三分の二国が地方自治体に貸し付けてある、残りは自治体負担なんですよ。これ、県内で千三百九億円貸し出されたんですよ。今、現時点で未償還のお金が一万六千七百八十五件、一万六千七百八十五人で二百六十一億四千六百万円まだ残っているんですよ。で、少額返還を認めてくれたんですよ、延長して、厚生省は。月額千円からでも結構だから払ってくれと。こういった傷跡が残っているんですよ。  そして、そういったこともずっとこの十二年間行われ続けてきて、今回だけ遡及をここで認めた場合には、この一月一日から、それ以降の被災者の方々にとっては、私はしてあげたいし、それはいい話ですよ。しかし、言い換えれば、裏を返して言えば、それ以前の方はこれは切り捨てるという考え方になるわけなんですよ。それが、そういうこととして正しいのかどうか。森先生は頭を横に振っておられるけれども、水岡先生の御地元の方は水岡先生を恨むかもしれませんよ、すごく。電話入るかもしれませんよ、これは。  このことは、やっぱり冷静に考えて、私たち与党案はやはり施行されたときからやっぱりやっていかなきゃいけないと。十二年前の傷跡が残っているんですよ、これ。現に残っている。助けてくれといったって、民主党の皆さんどうされます、これ。やはり私、公平性という点、この点。二つの県の方は大きな御支援をいただけるかもしれません。でも、四十五の都道府県の県民の方々は非常に複雑な感情を抱かれると私は思うんです。このことだけ、見解は結構ですから、意見として申し上げておきます。  ただ、昨日、仁比さんがおっしゃったように、今、目の前で困っている方をやっぱり助けてあげなきゃならぬと、厳然と今はそれが視角の中にあるわけですから。佐藤信秋先生からもいろんな意見いただいたんですよ、こいつは何とかしなきゃいかぬと。だけれども、遡及というのはどうかなという気持ちをお持ち、まあ新潟県ですからできたら遡及をしたいというのは佐藤先生も塚田先生もお持ちだと思うんですけれどもね。  そこで、兵庫県なんかは、これ復興基金を使ってなんですけれども、被災者自立支援金制度というのを創設をしました、これを。それによって、年齢要件とか収入要件はあるんですけれども、五十万から百五十万円のそういった支給金を実は行っております。十四万七千世帯で千四百十五億二千万円を実は支給したわけなんです。しかしこれは、さっき広田先生から話があったんでしょうか、復興基金からやりましたから、実際にあの当時は交付税措置が、これ六分の五の補助で九五%が交付税措置があったんです。今は六分の五で八〇%しかないからなかなか厳しいものがあるんで、私はやはり何らかの個別対応をやってあげるべきだという考え方はあります。  だから、このことについてはどういうスキームでやっていくかということはいろいろあろうかと思うんですけれども、国の補助金を入れるという考え方もあると思うんです、交付税でできない場合には。このことについて、何らかの措置を講ずるということを、どういう考え方を現時点で当局はお持ちなのか、これは政府にお聞きをしたいと思うんです。 ○副大臣(木村勉君)  現行制度は、将来の災害に備えて都道府県が相互扶助の観点から積み立てた基金を原資として被災者に支援金を支給するということを基本的な枠組みとしており、既に起こってしまった災害に対してこの基金を原資として支援金を支給する遡及適用は本制度にはなじまないと、こう考えているものであります。  委員御質問の復興基金を通じた遡及適用と同程度の支援については、与党案において、被災者にとってみれば改正後の支給内容におおむね相当する程度の支給が受けられるよう検討されていると承知しているところであります。  せんだって、衆議院の総務委員会において増田国務大臣が、今般、国の支援制度が改正された場合に、地方公共団体の判断により災害復興基金を通じて改正後の支給内容におおむね相当する程度の支援金を支給するのであれば、交付税措置の対象ということにして財政を支援をしていきたいと、こういうことが表明されたわけであります。  いずれにいたしましても、被災者の生活再建を図るため、被災者生活再建支援制度に関し、与野党間で十分に協議を尽くして一日も早く成案を得るようにしていただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 ○末松信介君  是非いい検討をしていただきたいと思います。  ちょっと時間が迫ってまいりますので、更に急ぎます。  民主党案と自民党案の違いは、この、今日ちょっと書類を配らさせていただいております、被災者生活再建支援金支給申請書でありますけれども、民主党案では、生活関係経費の支給について三十品目の物品、医療費等の項目ごとに申請、実績報告が必要になるとか、大規模半壊世帯が補修する場合に撤去費や補修費等の項目ごとに申請、実績報告や添付書類の提出が必要になるとか、そのため、被災時という非常事態にあって、被災者や被災自治体にとって過大な負担を掛ける可能性が実はある、私たちはそういうように見ているんですけれども。要は、これだけのものを書かなきゃいかぬわけですよ。いいですか。  自民党案では、まあ私のイメージとして申し上げます、ここだけ。と同時に、これはもうどこでも言えるんですけれども、住宅の建築又は補修工事あるいは購入の契約の写しと、そしてもう一つは、これは現行法でも必要となる住民票、罹災証明書、そして所得証明書だけを提出すれば支給を受けることができるんです。もちろん、定額支給でありますから、精算は要らないわけなんですけれども。  この事務作業量というか、被災された方が混乱している中で大変面倒なこれだけのものを書くことがあるぐらいだったら、渡し切りで定額で私は簡素にした方がいいと思うんです。民主党案は簡素じゃないんですよ、自民党案に比べれば、与党案に比べれば、公明党と自民党案に比べれば。この点の見解について伺います。  簡潔に、時間がないから、もう一問だけやりたいから。 ○委員以外の議員(水岡俊一君)  お答えします。  末松委員が一九九五年当時に兵庫県会議員として、本当に被災者の生活復興そして被災地の復興に全力を尽くされたということは、私も被災者の一人、兵庫県民の一人だった者として敬意を表したいし、感謝を申し上げたいと思うところでございます。  早速今の御質問ですが、今委員が御指摘になったこれらの書類でございますね。私たちの案は、この書類を踏襲するという考え方は持っておりません。大幅に簡素化することを考えながら政省令を変えていくことを今私たちは想定をしておりますので、今このままでいくとすれば、大変被災者の方々にも御迷惑を掛ける、あるいは申請に時間が掛かり、手間が掛かり、申請そのものが遅れてくるということはあろうかと思いますが、その点について私たちは大幅に簡素化をしていくという形で対処していきたい、このように考えております。  以上です。 ○末松信介君  ようやく共通点が見付かったみたいでして、今のお言葉を忘れず、いいシステムというんでしょうかね、いいフォーマットを作ろうと努力したいと思うんです。  最後に、実は自民党の執行部会というのがございまして、もう間もなく委員長、終わりますんで、お昼あるんですけどね。一週間前でしょうか、尾辻会長が、自民党、公明党の与党案を衆議院にこの被災者生活再建支援法では提出した、そして野党案は参議院に提出された、我が党、公明党は、自民党と公明党は、これ与党案に自信を持たなきゃならないと。なぜそういうことを言うかといいましたら、この朝日新聞が与党案がいいと書いていると。常日ごろから朝日新聞には複雑な心境を抱いておる自民党としては、みんなすぐ帰ってコピーを取り寄せたというんです。朝日の記者の方も、これは本当に率直な気持ちで書かれたような感じでございます。まあ朝日新聞は公平な記事を書かれると私は思っていますけれども。しかし、勇気付けられたということを尾辻会長は大変喜んで、評価されたわけです。  読んだとおりなんですよね。もう時間がありませんから、大きな違いは、支援金の最高額とその支給方法だ、これは二段目の一番後ろから七行目ぐらいですけれども。限度額は、与党案で現行の三百万円に据え置かれ、民主党案では五百万円に引き上げられる。被災者にとって支援金が増えるのは魅力だが、新たな財源が必要になる。ここは据置きの与党案の方が現実だろうと。そして、最後の三段目、これも後ろから七行目、こうした巨大地震に最初からお手上げというのでは困る。国庫負担を大幅に引き上げてでも支援金を用意すべきだ。その措置がとれるような条項を改正案に盛り込んだ方がいい。自然災害は待ったなしで起きる。与党案を軸に改正を急いでもらいたいと。  本当に朝日新聞が冷静に考えられた結果だろうと私は思うんですけれども、民主党の皆さん方の意見を、朝日新聞に対するこの社説の意見をお伺いして、終わります。 ○委員長(一川保夫君)  森ゆうこ君、簡潔にお願いします。 ○森ゆうこ君  この今日、会場にも、朝日新聞の記者さんだけではないと思いますんで、こういう社説もあったというふうに私も存じ上げておりますが、新聞社は朝日新聞だけではありませんし、様々なメディアもございますし、私も、民主党案の方がいいという評価をいただいた新聞もございますので、今日は残念ながら御披露することはできませんけれども。  いずれにせよ、被災者の皆様の視点に立った、被災者の方々にとって本当に、先ほど来お話がありますように、しっかりと希望の持てる制度にすべきであるというふうに考えておりますし、先ほど来、先生の本当に熱意のこもった御質問に感動しておりますけれども、私どもも早くこの住宅の再建に公費を投入すべきという考え方の下に、何度も改正案をこの国会に提出をさせていただいております。立法府の責任としてもっと早くこの法案の審議をこのような形でできればよかったのになということを改めて感じておりました。  以上でございます。 ○末松信介君  延びましたことにおわび申し上げて、終わります。  ありがとうございました。