169-参-総務委員会-5号 平成20年03月27日 ○末松信介君 おはようございます。自由民主党の末松信介でございます。 質問に移らせていただきます。三月の十八日に予算委員会がございまして質問をいたしまして、少し質問が残ってしまいました。したがいまして、道路の問題等につきまして、また若干すそ野が広がりますけれども、お許しをいただきたく存じます。 二月の五日にここで補正交付税法、地方交付税の改正案の質疑をいたしましたときに、前鳥取県知事の片山善博先生のお話を持ち出しまして、三位一体から今日に至る地方の財政についての厳しい御意見等のお話を、例を取ったわけなんですけれども、私の兵庫県議会にもこの前講師でお見えになりまして、なかなか、だました国も悪いけれども、だまされた地方も悪いという同じお話をなさったそうなんですけれども。 実は、この先生がせんだって、道路特定財源に上乗せされている暫定税率について、与党は十年間維持、民主党は撤廃、一般財源化を主張し、対立が続いています。どうすべきでしょうかという、道路を問うということで、ある新聞の会見に応じられておられます。先生の御意見は、こういうお話をなさっておられます。 暫定税率のうち三分の一は下げ、三分の一は一般財源化してはどうか。残り三分の一は特定財源でもいいが、二、三年で見直しを検討するのが妥当ではないか。政治は妥協だから、三方一両損ですよ。 でも、これは最後の落としどころで、理念は全額一般財源化だ。特定財源は、自治体が横流しして他に使うおそれがあるときには有効だが、国も自治体も道路が重要だと言っているのだから、使い道を縛る意味がないと。だれを縛るのか。実は、国民を縛っていると。国民は、教育に使ってくれと言えない仕組みをつくっている。それは民主主義ではないと。 少し省きますけれども、道路は要るか要らないかという議論はほとんど無意味。要る道路は要るし、要らない道路は要らない。当たり前のことなんですけれどもね。一本ごとに審査し、教育など他の施策とどちらが優先度が高いか議論すればいいと。小泉元首相は、既存の仕組みを変えよう、一般財源化しようと言って国民に受けた。福田首相が人気がないのは元に戻っているからだ。一般財源化を言えば人気が出ますよ。 こういう話をされまして、政府・与党は、暫定税率を維持した方がガソリン消費が抑えられ、環境に優しいと主張されているが、環境のためにならば、環境目的税や一般財源にすればいい。道路を造り続ければ環境に良くはない。渋滞が減って二酸化炭素の排出量が減るなんて主張は噴飯ものだと。 一般財源化という点では民主党の方が正しい。だが、税率を下げるが地方の道路が造れるようになるというのはまやかしだ。税率を下げるなら、道路整備もペースダウンしなければならないと、そういうことが書かれています。 私、気になりますのは、今日は、総務大臣、総務省の見解をお聞きしたいのは、まあ自民党も修正案でいろいろ出しているんですけれども、お聞きをしたいのは、こういうことを片山先生書いておられます。 地方六団体は総務省の外郭団体。情けない。このままでは、三位一体改革で一般財源化しろ、自由をよこせと言っていた人たちが道路にしか使えないように縛って縛って、緊縛趣味のマゾヒストですよと。ちょっと悪い表現ですね、これは。政府の後ろ盾があって皆と一緒のことをやっている方が楽でいいんだということなんですよ。 少しえげつない表現がありますけれども、私は、片山知事は義務教育国庫負担堅持派でありました。あのときに自民党の部会でも随分もめました。知事会でも取りまとめで若干もめたことを覚えております。 是非、先生は先生の主張といたしましても、総務省としてこの一般財源化、道路特定財源のこの一般財源化ということについてどういう考えを持っておられるのか。私は、この時期、きちっとした主張をなさるべきだと思っております。考え方をお持ちだと思うんですけれども、総務大臣、総務省の見解を伺います。 ○国務大臣(増田寛也君) 今引用された前鳥取県知事の片山教授の意見を私も拝読をしているところでございますが、幾つか異なる見解がございまして、特に、六団体、もう今はなかなか総務省の言うことを聞かずにいろんなことをやっぱりきちんとおっしゃるわけでありますが、先日、二十四日だったかと思いますけれども、六団体の皆さん方が私のところに来まして、もう来年度の予算もとにかく大混乱するからもう何とかしてほしいという切実な声を上げていかれました。 来年度の予算もさることながら、やはり道路全体についてやっぱりここできちんとした考え方を持つ必要があると思っているんですが、総務省として言いますと、この道路特定財源、小泉内閣のときに全体として一般財源化を考えようという話がございました。ですから、これは内閣として私どももそれを受け継いでおりますので、全体としてそういう見解を踏まえて私どもも考えているというのが一つでございます。 その上で、今の法律の構成からいいますと、地方税の中で暫定税率も含めて道路に充てると、こういうふうにはっきり書いている。これはもう国民とのお約束になっております。ですから、納税者の理解、再三にわたりまして私ども受益者負担の制度ということで申し上げましたけれども、納税者の理解を得ていただいているお金を納税者の御納得のいただくようにお使いいただくというのはこれは大原則でございますし、それから、なおもう一つ言いますと、地方に限って言いますと、お金が足りなくて、この特定財源だけではなくて一般財源までそこに充当して今道路整備に充てているということがございますので、やはり大きな方向としては、先ほど申し上げましたように全体として小泉内閣のときに一般財源化に踏み出そうと、こういうお話があったわけでございますが、道路特定財源、地方の道路特定財源を維持していくというのは十分に理屈があることでございますし、なお今の実態にも沿っているのではないかと。 そして、それを先般、福田総理が、これは私どもというよりは党の方にでございますが、一般財源化も含めてのいろいろな御指示を出されたわけでございますが、そうした総理の思いというのは十分私どもも受け止めて考えなければいけないと思いますが、なおさら国民の皆さん方の御理解が得られるのかどうかについて十分に議論を重ねる必要があると。 これはもう今の法律で決まっていることをもし変えるとすれば、当然のことながらいろいろなプロセスを経て変えていかなければいけないわけでございますので、今の道路特定財源の考え方をやはり変更する場合には納税者の理解をどのように得られるか十分検討して整理をしていくことが必要だと、こういうふうに考えているものでございます。 ○末松信介君 ありがとうございます。大臣がおっしゃいました、納税者の理解を得てということ、受益者負担の原則という、この二つということは大変重要な要素でありますので、これはやっぱり守っていかなきゃいけないということを思っております。 民主党の案も拝見をしましたし、昨日民主党が出された議員立法、つるしが下りまして財政金融委員会で議論がされるということでこの推移を見たいわけなんですけれども、ただ、私は、民主党の案は民主党の案できちっと我々も謙虚に受け止めなきゃならぬのですけれども、やはり一つは、減税ということがうたわれていると、これは今可処分所得が減ってくる中では大変有り難い話かなと思われる方が多いと思います。二つ目は、事業量は絶対減るということは、これは質問をされている民主党の委員の方もおっしゃっておられるとおり、二兆六千億減りますから事業量減ると。だから、それをどこかで捻出をするというんですけれども、なかなかこれは具体的には難しい問題があるから、今のところは事業量がもう本当に減ってしまうと、国直轄事業が減ってしまうということになるだろうと思うんです。 三つ目は、菅代表代行の話聞いていても、私は大変分かりにくかったんですけれども、ずっとこう考えてみたら、結果的には国と地方の役割分担、地方分権の話に返ってくる問題提起だと私は思っています。そういう点で、これから民主党の案ともよく整合性を図りながら、できれば三月末にいい回答が出ればなということを願っているところでございます。 余りこの問題を話しましたら、この前、予算委員会でいきなり質問したら止められてしまいまして、おしかりを受けましたので、これくらいにしたいと思います。 二つ目の質問でございますけれども、実は明石海峡大橋のことについてお尋ねを申し上げたいと思います。 私の神戸市垂水区というのは、実は本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋の本州側の接続部分なんでございます。長い間そこで私県会議員をやっておりました。 この本四の歴史というのは、明治二十二年、今から百二十年前ですけれども、香川県の大久保じん之丞さんという県会議員が讃岐鉄道の開通式でこういうあいさつをされたんですね。塩飽諸島を橋台として架橋連絡せしめれば、常に風波の憂うなく、南来北向東奔西走瞬時を費やさず、それ国利民福これより大なるはなしという、こんな発言をしたことが最初だと言われているんですよ、これが。当時はこういった橋梁技術がなかったんですけれども、そういう夢を語られたということには、私大変敬意を表したいと思うんです。 私の神戸市の垂水区というところは、私そこで長い間県会議員をやっていたんですよ。二十年を超えてやっていたんですけれども、唯一この国家プロジェクトに反対の声が出たところなんです。なぜかといったら、これは橋が開通したら一日三万台の車が出入りすると。排気ガスの問題、そして騒音の問題、全体的な大気汚染の問題、工事中の問題、こういった問題が起きてくるということで反対運動が起きました。 私、よく住民運動の中に入っていきまして三つのことを必ず言ったんですよ。確かに環境は悪くなっても良くなることはない、だから、沿道施設を整備したりしながら環境対策と地域整備はしなきゃならないと。公園を造ったりしながら、いろいろと住民の皆さん方にも、単なる公害施設にならないように心掛けていかなきゃならない、配慮しなければならないということを言いました。 二つ目は、橋ができてからのことは絶対分からないということは言ったんですよ。このことは言いました。 そして三つ目、私申し上げたのは、立ち退きの反対は許し難いですよ、まあ許し難いというのはあれですけれども、許されにくいものですよと。皆さん方が使っておられる道路、車に乗って使っておられる道路というのはかつてだれかの土地であったと、そういった方々の土地の提供の下にこの道路というのは成り立っているから、あなたの順番が回ってきたからといって反対することは難しいという、私はそのことを言いました。私自身も国道百七十五号線で立ち退いた経験がありますから、そういうことを言ったんです。 この三つの心配の話を申し上げましたけれども、確かに、神戸市も兵庫県も旧本四公団も国も立派に環境対策、地域整備を実施していただいてよかったと思っているんです。 ただ、私は唯一、一つうそをついてしまったと。どういううそをついたかといいましたら、一日三万台の車が入ってくるから、需要があるから是非協力してほしいと言ったんですよ。ないでしょうと言ったんですよ、住民の方は。地権者の方は七十四人ほど立ち退いておられますからね、あれは。結果を見たら、やっぱり三万台行かなかったと。このことについて私は、国も神戸市も兵庫県も旧本四公団もだれも謝らない、だれも説明しないという、この国はちょっと行政おかしい面が私はあると思っているんですよ。 このことについて、そのことを抜きにしていきなり一兆四千億の、有利子負債三兆二千億抱えていましたから、一兆四千億の道路特定財源を入れて四十五年で返済できるスキームをつくったわけなんですけれども、私は、まあ非常にきつい言い方ですけれども、謝らない行政、説明を十分加えない行政ということについてどのように考えておられるか、道路局次長、御答弁をまたいただきたいと思います。 ○政府参考人(原田保夫君) お答えを申し上げます。 本四道路につきましては、社会経済状況が変化する中で、事業の見直し等が必ずしも適切に行われなかったということについては厳しく反省しなければならないというふうに我々考えております。公団の民営化に当たりましては、こういったことを教訓にしまして債務の返済期限を四十五年以内とするということを法律できちっと決める、そういったことなどを通じまして、安易に新たな道路が有料道路として行われないようにという仕組みの導入を図ったところでございます。 今後、有料道路につきましては、採算性の厳格なチェックを行うことは当然でございますけれども、併せて社会経済状況の変化に合わせた見直しもきちっとやっていくということが必要かというふうに思っております。 それから、先生御指摘ありました地元への説明の件でございますが、確かに聞くと、直接地域住民の方に公団等が、あるいは国が説明したことはないようでございますけれども、平成十五年の債務処理のときに出資をいただいておりますので、関係地方公共団体の方々にはいろいろ、比較的早い段階から我々の考え方を御説明申し上げ、御意見もいただいて、こういった債務処理の枠組みをつくったということでございますし、民営化後も事業計画の策定あるいは決算等々につきまして関係地方公共団体の方々からの御意見を伺う場をつくっております。今後とも引き続き、地域への説明責任については十分果たせるように本四の高速道路会社とも連携をしながらやっていきたいというふうに考えております。 ○末松信介君 今までの思い、うっぷんをためてひとつ御質問を申し上げましたんですよ。唯一私の苦い思い出でございまして、大変御丁寧な答弁をいただきました。情報開示と説明責任ということは大事にしていただきたいと思うんですけれども。 それで、私、この明石海峡大橋をよく造っていただいたなということを思っております。ただ、考えさせられてしまうのは、なぜ淡路島の人口が、橋ができる前は十五万五千人、今は十四万九千人ぐらいになってしまったと。どうして人口が減ったのか、どうして観光客がうまくいかないのか、どうして企業の誘致ができないのかという、いろんな反省があるわけなんですけれども。 しかし、一番大事なことというのは、私はそこに住む人々にとって、この香川県の大久保じん之丞さんという県会議員の話じゃないんですけれども、そこで不便な生活をされていた方のことを思えば、これはかつてせきれい丸という船が沈んで三百四人の方が亡くなられた悲しい事故もありました、昭和二十年に。こういったことも本四架橋の建設の引き金になっているんですけれども。そうしたことを考えておれば、当然不便な地域に住んでいる方には利便性を与えていくということは当たり前ですから、私は四国の出身者や淡路島の出身者だったら橋を造っていこうというのは当たり前のことだと思うんです。 私思うのは、採算というのは事業を成り立たせるための重要な要素であっても最大のテーマでは決してないということでございます。道路事業の目的というのは、ややもすれば採算性ばかりに議論が集中している中、採算性を問うべき部分と住民の皆様方の生活の向上と地域の発展など、公共事業の本来の目的に沿うべきものが存在すると私は思っています。 このことについて、是非次長の考え方をお述べいただきたいと思います。 ○政府参考人(原田保夫君) お答え申し上げます。 本四道路につきましては、全国的な見地で必要だというだけではなくて、地域にとって必要不可欠な道路だという要素もあろうかと思います。そういった意味におきましては、こういった道路につきまして税金を投入してやるべきだという議論も当然、先生御指摘のようにあり得るかというふうに考えております。ただ、あの当時、道路全体の整備水準が多少遅れている中で一般道の整備もしなきゃいけない、財政事情も厳しいという中で早期整備を図るという観点から有料道路制の仕組みを採用したという、せざるを得なかったということでございまして、ここら辺につきましては御理解をいただければというふうに思っております。 今後のことでございますけれども、地域にとって必要な道路につきましては早期整備を図る必要があると考えておりますが、これまでいろんな経緯がございますけれども、採算性と必要性の違いということをきっちりとしっかりと認識をしながら、併せて厳格な事業評価も行った上で、それぞれの道路にふさわしい適切な整備手法を選択をして道路整備を進めていく必要があるというふうに考えております。 ○末松信介君 採算性と必要性という話もありました。必要なものはやっぱり必要でありますし、必要なものは税金で造っていくということはやっぱり私は正しい考え方であろうと思います。BバイCの議論なんか出まして、これも大事な話なんですけれども、いろいろとまた皆さん方に、地方税法案が下りてきたときにまた質問をさせていただきたいと思っております。 時間もなくなってまいりましたので、実はこの明石海峡大橋は海上国道になっておりまして、三月五日午後二時五十五分、この明石海峡の航路の東口付近において、タンカーのオーシャンフェニックスと貨物船ゴールドリーダー号及び貨物船第五栄政丸の三隻が相次いで衝突をしまして、ゴールドリーダー号が沈没をいたしました。地図をちょっと今日資料としてお渡しをしていただいておりますので、また御覧をいただきたいと思っております。 この三隻の追突事故でございますのですが、ここは、ノリの養殖とかイカナゴを捕ったりとかして、非常に豊かな漁場でございます。ここで結局、油が流出をしまして、大きな二次被害が発生をしているわけでございます。沈没した船が鋼材を運ぶ貨物船だったということで船主限定責任の事故という様相を示しているわけでありますが、これは、沈没した貨物船ゴールドリーダー号の船主保険が七億円であったことをかんがみますと、現在の漁業者の被っている被害額と余りにも懸け離れてしまっているという事実がございます。 このことで今現在苦しんでおられる方々が、裁判の完了をするまで待たせるのではなくて、現在何とか救済する方法はないのかということで、県は県で今、豊かな海づくり資金ということで無利子の貸付け等々を行っているわけなんですけれども、水産の部会等々で、特別交付税でいろいろと将来考えてやれないのかということを言っておられます。これは、イカナゴとかノリというのは地場の特産品でございまして、第一次産業に従事している方が大変多いわけなんですけれども、こういった方々がこの機会にやめてしまうということがないように、総務省としてこういった場合に何ができるんだろうかということ、このことの所見をお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(増田寛也君) 大変今地元で深刻な被害が出ているということをお聞きをしているわけでございますけれども、まず公共団体で、今先生からもお話ございましたとおりの、利子補給ですとかそれから廃棄処分費の支援などの取組を予定したり実施をしているというふうに聞いております。総務省として、こうした公共団体の取組に対する財政措置ということも考えられるわけでございますが、具体的な取組内容とそれから要した経費等についてよくお聞きをする必要があると。それからあと、この問題について、他省の方でも様々な支援ということについて今検討中というふうにお聞きをしてございます。 従来から、こうした深刻な地域での被害が生じた場合には、そうした他省からの支援の在り方というものもよく見た上で私ども対応を取るということになっておりまして、いずれ、新年度にもう間もなく入るわけでございますが、どういう対応を取るか、新年度の措置ということになるわけでございますし、もう先生よく御存じのとおり、一番私どもとして有力な武器は交付税、特に特交の措置ということになるわけでございますが、そうした今申し上げましたような地元での取組それから関係省庁からの支援の在り方というものも十分に踏まえて、その内容を検討していく予定にしているところでございます。 ○末松信介君 よろしく御対応いただきたくお願い申し上げます。 最後の質問でございまして、水産庁にお聞きをします。 現在、十九年補正燃油緊急対策というのが行われております。水産業燃油高騰緊急対策事業でございまして、ここでちょっと考えたいのは、その中で、一つは藻場整備、二つ目は漂流・漂着ごみの除去、三つ目は輪番制休漁のこの三点の拡大解釈適用が可能ではないかという御提言でございます。これを水産庁に申請をしまして、各漁協が被害額等を検討しまして、それぞれが最大の補償が受けられるようにして、本当に被害者救済を図るということを目指してはどうかと思うんです。 この水産業燃油高騰緊急対策事業の真の目的であります第一次産業、この水産業の保護育成を法解釈で目指してはどうかということなんですけれども、一つは、藻場整備に関しては、ノリ養殖場の清掃、油濁除去をした者に実費被害額の二分の一プラス人件費プラス用船料を、そして漂流・漂着ごみの除去に関しては、油の付着した網、ノリの撤去をした者に実費被害額の二分の一プラス人件費プラス用船料を、そして三つ目は、輪番制休漁に関して、イカナゴ漁、ノリ漁の休漁日数分を充てて被害者の軽減を図ってはどうかということなんです。 現行法ではこういう形態の救済の仕方しかないと私は思うんですよね、いろいろ読んだんですけれども。新規に基金をつくっても、これは遡及ができるかどうかという問題もありますし、その拠出者をどう特定するのかという難しい問題もございます。こういう点を踏まえて水産庁の見解を伺いたいと思います。最後の質問です。 ○政府参考人(重義行君) お答え申し上げます。 まず、今回の貨物船衝突事故によりまして、重油流出で漁業被害に遭われている漁業者の方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 なお、水産庁といたしましても、これまで漁業共済金の早期支払や低利融資資金の対応について関係機関等に要請しているところでございますが、ただいま委員から御指摘のありました平成十九年度の補正予算におきまして、燃油高騰対策として、漁業者の方々が省エネの対策の一環として行います藻場、干潟の清掃や、先ほど委員からも事例紹介がございました海岸のごみの清掃とか、そういうようなものに対しての活動に対する支援措置として百二億円の基金が今設置されているところでございます。 今般被害を受けられた方々におかれましても、この事業の趣旨に沿った形で、省エネ型漁業への転換などを通じました経営改善を図る観点から、ただいまいろいろと御指摘いただきましたような様々な取組も併せてこの事業の趣旨を図るという観点で取り込んで積極的に図っていくことができないかと、それが重要ではないかというふうに考えているところでございまして、この事業の内容につきまして、私どもといたしましても、現地の漁業関係者の方々にこれから積極的に周知を図りまして、また、具体的にこの事業を使って何ができるかといったような観点でまたいろいろと進めてまいりたいというふうに考えております。 ○末松信介君 今後、同じようなケースが起こり得ると思います。そういうことも念頭に置いて善処のほど、よろしくお願いを申し上げます。 以上です。ありがとうございました。
活動報告

2008-03-27
第169回国会 参議院総務委員会 第5号