文部科学部会と文教制度調査会合同会議の下に設置されている科学技術特別政策委員会は18日、京都大学霊長類研究所教授の遠藤秀紀氏から「死体解剖の未来を拓く」をテーマに話を聞いた。 遠藤氏は「科学とは文化。お金儲けの道具、生活を便利にする技術、安全保障への貢献でもない。人間が人間である証として、知的好奇心をもって新しい真実を見つけていく場」と述べ、「人が金儲けをし、戦争をし、ただ働いて死ぬだけの獣でないことを証明するべく、私たちは謎に好奇心で立ち向かい、新しい真実を見つけ出した。それこそが学問の、文化の、大学の、真の存在意義だ」と訴えた。 その例として遠藤氏は学生時代の山際大志郎同委員会事務局長とともにパンダの死体解剖から、パンダの指は、5本ではなく、本当は7本あったことを発見した例を紹介。「動物解剖学の大発見だが、パンダの5本指が7本指になったところで、日本のGNPにも安全保障にも何ら貢献しない」と述べながら、研究の存在意義は人類に「知」を残すところにあることを強調した。
活動報告

2006-04-18
京都大学霊長類研究所の遠藤秀紀教授から話を聞く 科学技術特別政策委員会