活動報告

2006-11-28
「格差論」について有識者からヒアリング 内閣部会

 内閣部会は28日、慶応義塾大学教授の樋口美雄氏を招き、「格差論」について意見を聞いた。一連の構造改革路線が「格差」を助長しているとの批判があることについて、樋口氏は、所得格差を示すジニ係数には大きな拡大傾向は観察されていないことを指摘、これに否定的な認識を示した。その上で、「理想の国家像」に対する国民の意識について、日本では「貧富の差の少ない平等な社会を目指すべき」とする人が4割と、アメリカの1割に比べて多いという調査結果を示しながら、「日本人には、格差拡大を敏感に受け止め、生まれの違いや運不運によって所得格差が生じることを嫌い、努力する人が均等に報われる社会が求める人が多い」と結論づけ、問題の本質は客観的な「格差」ではなく、主観的不平等感の拡大であるとの考えを述べた。