162-参-国際問題に関する調査会-9号 2005年07月20日 ○末松信介君 いや、私、ちょっと先生にお聞きしたかったのは、靖国のこの参拝問題につきましては、自民党の中でも総理を支持する考え方、支持しない考え方、二通りあって、いろいろそれぞれ会合を開いておるんですけれども、そのA級戦犯十四人が合祀されているという問題、ここを非常に重要視される先生方も多いわけなんですよね。 知らない間に、福井藩主の松平春嶽公のお孫さんが、東京裁判は軍事裁判である、したがって、そこで裁かれた、そして処刑された方はこれは戦争によって戦死したのと同じであるという意味で祭られたということで、知らない間に一九七八年に祭られたということなんですけれども。 今の大石先生のお話というのは、元々の歴史は招魂社からずっと始まってきて、いろんな変遷を経てきているんですけれども、総理が靖国に参拝されるということについては、A級戦犯が合祀をされておられるから、あの神社について、神と祭られて、戦争に行って戦死をされたという方々を祭っておられるんですけれども、この点、A級戦犯との関係でいったらどういうように先生お取りになっておられるのか。ちょっと私戦後生まれ、全くの戦後生まれですからね。 ○会長(松田岩夫君) しばらくこの点、じゃ、お答えいただきましょうか、それぞれ議員から。 大石正光君。 ○大石正光君 随分、二十年前ぐらいから中国に行って、実は当時私、一年生から三年生の時期まで自民党の中国研究会という会をつくって会長をして、各自民党の議員さん方を毎年中国に派遣して、要するに結局、全人代の常務委員会が私どもを招待してくれていたんですね。ですから毎年必ず行きまして、当時の石破茂君も行ったし鳩山由紀夫さんも行ったし、多くの人が随分、我々同期でしたから行きました。 そのときに必ず議論したことは、なぜ我々が日本に対して文句を言うかということは、要するに、A級戦犯が靖国神社に祭られているというところに要するに時の総理大臣が参拝に行くという。一般兵士に参拝に行くことに対しては何の異論もないと、しかしA級戦犯と言われた、戦争犯罪者と言われた人が祭られているところに公式に行くことに対して我々はだれに文句言ったらいいか。しかし、文句言うのはやっぱり外交上で日本の政府に言う以外にないんだと。そこが中国政府の必ず行き着くところなんですね。だから、その部分をきちっと何とか解決してくれたら、別に参拝することに対しては何も問題ないということなんですよ、結論から言えば。 だから、結局は、靖国神社に祭られているA級戦犯、それは戦争犯罪としてなって、日本国民から見れば、戦争犯罪だから、もちろんその人が死ねば天国に行ったりなんかしてある程度罪が許されるという一つの何かが感情的にある部分あるけれども、外国は例えば一人が、例えば一人を殺して、五人殺したら、五人の一人が五十年分で二百五十年の刑だよというのが、実際に裁判で判決が出ている例が一杯あるわけですよ。死後の世界まであなたは責任をしょわなきゃ駄目ですよと。日本は要するに、腹を切ればそれで要するに許されたという一つの何となく歴史的な心情があります。 その歴史的な背景の考え方が違う。そこが結局一つの大きなベースとして靖国神社の問題の大きな違いが生まれてきた。それを時の総理大臣はある程度分かっていて、ほとんど公式参拝をしていないんですよね。中曽根さんが一回やって、それからやめて以来、歴代の総理大臣は公式参拝をほとんどしてこなかった。私的に、個人的に行くことには余り中国政府は文句を言わなかったと、私はそう思って、私はこの問題は、その部分を何とか解決するためには、やっぱり政権政党である自民党と内閣がやっぱりきちっとその意見を、謝るんじゃなくて、我々はこうですよということをちゃんと出していかない限り、いつまでも何十年も尾を引いていく問題ではないかと。これは必ず日本にとってマイナスであり、プラスにはなりません。 だから、いい加減もう、大人同士なんだからここで、どこかでけじめを付けてほしいというのが私のその基本的な理解なんですけれども。御理解いただけますか。
活動報告

2005-07-20
国際問題に関する調査会